夢を追って。

バイトを休み始めて1週間。

俺たちはオープンキャンパスの準備に 追われていた。

正直、ここまで忙しくなるとは思わなかった。

俺はオープンキャンパスというものを 舐めすぎていたのかもしれない。

うりは俺の病気を心配して過度に 動かないようサポートしてくれている。

流石にまた倒れるわけにはいかないし、 薬もちゃんと飲んでるんだけどな。

うりの心配症がよく出ているが、 その優しさがすごく嬉しかった。

緑と少し赤がかった建物がレトロさを引き出していて すごくおしゃれだ。

やっぱり大学は外観にもよく力を入れている。

高校生案内する時、ここも来ちゃお。

たくさんこの学校のよさを知ってもらいたいしね。

それに、

ここ、ゆあんくん好きそうだし、。

って、まぁゆあんくん来るかわかんないんだけど。

来てほしな。

この学校の魅力を、ゆあんくんにも知って欲しい。

次の日も、

その次の日も

オープンキャンパスの準備をして 一日が終わる。

どんどんやらなければいけないことを解決していき、

普通なら達成感に襲われていくはずなのに。

どうしてこんなにも、心が軽いのだろう。

それはもう、ぽっかりと空洞が開いたように 空っぽだった。

何かが物足りなくて、

無性にも胸が痛くて、

どこか後味が悪い。

何かが、俺の達成感を奪っていく。

もし、君に会えたら。

この達成感は戻って来てくれるのだろうか。

ほんとに寂しいと思ってる。

ただ、オープンキャンパスの準備が忙しすぎて 心にゆとりがない故に

表情に現れなかったのかもしれない。

でも、今は違う。

準備は終わり、心に余裕が出て来た今は 会えなかった期間に感じていた名残惜しさがある。

マネージャーとしてやってはならない事、

それは担当アイドルへ負担をかける事だ。

もし俺がここで"会いたい"なんて我儘を言った ばっかしに、忙しさを倍増させてしまったら

俺はマネージャー失格だろう。

確かに言われてみればそうだ。

ゆあんくんはいつも俺を助けてくれた。

ほんとどうしてそこまでしてくれるのかと疑問に 思うほど、

うりの言う通りだ。

時には自分を優先し、少し図々しいくらいが 丁度良い。

俺は、ゆあんくん、

君が好きだから、

どうしようもなく好きだから。

君に2週間会えないだけで、 胸がはち切れそうになるくらい、

君に夢中だから。

ほんと俺って、お人好しなんだな。

このまま黙ってみていたら、もうちょっと 長くじゃぱさんといれたかもしれないのに。

こんな敵に塩を送るようなことしちゃってさ。

ただ親友が困っていたから。

顔が暗かったから。

悔しいけど、今この場で声を掛けるべきなのは 俺ではないから。

親友の笑顔のために…

手を差し伸べるのは当然のことだ。

じゃぱさんの笑顔が見れるなら、

多少は我慢するし、他の人だって普通に切り捨てる。

だって、俺はお前に依存してるから。

幸せになってくれ。

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当たり前にあったその笑顔は当たり前ではないと 知った。

ちょっとのきっかけだけですぐに 見れなくなると知った。

だから俺は後悔しないように…

わがままだと分かっていても、

君に、

好きだと伝えたい。

インターホンを押す

扉が開くと同時に、手をひかれて 家の中へと引き込まれる。

引き込まれたと思えば、自分よりも少し大きな体に 抱きしめられていることに気づく。

真横には大好きな人の顔がある。

ゆあんくんも、俺に会いたがってくれてたんだ。

互いに互いを思い合ってたなんて、

そんなの幸せすぎだし、

相思相愛じゃん。

もう、ここで好きと言ってしまって良いのかな、

君が好きだと、伝えてしまって良いのかな。

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝1000♡

一カ月離れ離れという事で、2、3話 使うか？と思ってたんですけど

ゆあじゃぱの絡みのない2、3話とか 需要無さすぎて辞めました

少し進み早いなと感じた方

許してください