義勇
………2人とも……ちょっといい…?
無一郎
無理、俺今から出かけるし
義勇
………
義勇
そんな事言わないでよ…ほんとにすぐ終わらせるから…
義勇
……(言ったところで意味無いか…)
義勇
……(どうせ私が死んでも悲しんだりしないよね…)
義勇
やっぱりなんでもない……引き止めてごめんね…(声が震えちゃう…)
義勇
………何時に帰って…
無一郎
俺らしばらく帰るつもりねぇから、2年は帰らん
義勇
えっ…(2年…………私の余命は……あと半年なのに…)
義勇
…………分かった…
義勇
気を付けるんだよ、無一郎、有一郎…お姉ちゃん2人が帰ってくるの待ってるからね
無一郎
うるせぇな、黙れよ
有一郎
行くぞ
無一郎
ん
義勇
……………………(2人とも帰ってこない…私あと1ヶ月で死んじゃうのに……)
義勇
……まぁ……教えてないし…帰ってくる訳…(苦笑)
義勇
……あと1ヶ月…………今のうちに無一郎の足の病気の為にドナーとして登録してもらおうかな…
義勇
…これが……お姉ちゃんに出来る最後のお仕事……(泣)
義勇
…………顔見たいなぁ………
余命まであと2週間
義勇
………………
義勇
…………………………
看護婦さん
本当にいいんですか?弟さん達に余命の事伝えなくて
義勇
…はい……
看護婦さん
……それではビデオ回しますね
義勇
お願いします……
ピッ…
義勇
…無一郎、有一郎、このビデオを見ているって事は私はもう死んでいるってことだと思います。
義勇
2人には小さい時にお父さんとお母さんから引き離してしまう事をしてごめんなさい
義勇
お姉ちゃんは…2人のことが大好きです
義勇
2人は…いつも仲良しで……いい子で……お姉ちゃんに…甘えてくれていましたね…
義勇
お姉ちゃんのせいで……2人のことを不幸にしてしまったならごめんなさい…
義勇
もしこのビデオを見てくれているなら…無一郎の足の病気の為にお姉ちゃんはドナーとして登録をしています……だから…
義勇
これが…私が……お姉ちゃんとしての最後のお仕事だと思っています…
義勇
お姉ちゃんは…死んでも2人のことを天国から見守っています……だから…
義勇
……2人で幸せに生きてください…(笑)
義勇
…………こんなに泣き虫な…お姉ちゃんで…ごめんなさい…2人のことを……お姉ちゃんは…誇りに思っています……(泣)
義勇
大好き…(泣)
義勇
お姉ちゃんの事を忘れないでね…(泣)
ピッ…
看護婦さん
…冨岡さん…
看護婦さん
大丈夫ですか?
義勇
……はい…(笑)
義勇
大丈夫です…(笑)
余命宣告2日前
義勇
…………
義勇
………………
義勇
……(部屋片付けなきゃ…)
義勇
…………
無一郎
…………
義勇
んっ……えっ…
無一郎
なにしてんの、安静にしとけよ
義勇
えっ…何言って……
無一郎
……部屋片付けんの?
義勇
……無一郎…?
義勇
帰ってこなかったんじゃないの……?
無一郎
別に関係ねぇだろ
義勇
…………むいくん…?
無一郎
…………なんで言わなかった訳?
義勇
えっ…
無一郎
余命の事!
義勇
ビクッ…
義勇
なんで知って…
有一郎
病院から電話来たんだよ
義勇
えっ…
無一郎
なんで黙ってんの?
義勇
…
無一郎
姉ちゃん
無一郎
いつからだよ、余命宣告されてたの
義勇
…………
義勇
………………言わない…
無一郎
は?
義勇
2人はどうせお姉ちゃんの事嫌いでしょ
無一郎
……
義勇
だから言う必要なんてないと思って言わなかったの……2人が出ていったあの時言おうと思ったのに…
義勇
お姉ちゃんあと少しで死んじゃうから、一緒に居たかったから…
義勇
だから…引き留めようと思ったけど……2人は私の事嫌いだろうし…私なんかの顔みたくないだろうし…
無一郎
…………
義勇
私は……2人のこと……大好きなのに……(泣)
有一郎
…………
義勇
なんで………なんで…余命宣告なんか…されちゃったんだろ…(泣)
義勇
2人をお父さんとお母さんから引き離したから……?(泣)
義勇
私は2人を守りたかった…それだけなのに…(泣)
無一郎
姉ちゃ…
義勇
嫌だ…死にたくない……(泣)
無一郎
…………
義勇
貴方達とまだ居たいのに…(泣)
義勇
こんなお姉ちゃんでごめんね…(泣)
義勇
ホントにごめん…(泣)
義勇
………………………私ね…2人と会えてよかったよ…2人のお姉ちゃんになれて嬉しかった
義勇
……2人は…喧嘩しないで……ずっとずっと…仲良くするんだよ……
義勇
お姉ちゃんは……先にお父さん達の所に行くね…
無一郎
…………姉ちゃん…
義勇
無一郎……有一郎…2人に逢えてよかった、お姉ちゃんは世界一幸せだったよ…(笑)
義勇
最後は笑ってみ送ってほしいなぁ…………(眠るように息を引き取る)
ピーーーーーー
無一郎
っ……姉ちゃ…ん…ごめんっ……ごめん姉ちゃん…(泣)
有一郎
っ…
無一郎
素直になれなくてごめん…俺らも……姉ちゃんが…俺達の姉ちゃんで世界一幸せだった…(泣)






