*一方、解剖室では…。*
五条悟
百合、起きた?
家入硝子
ああ。さっき起きたぞ。
五条悟
そっか。それより、僕のお願いちゃんと聞いてくれたよね?
家入硝子
服と下着を元の状態に直すことだろう?もちろん、百合のためでもあるからな。ちゃんと直してやったよ。
家入硝子
…にしても、あの話は本当なのか?特級呪霊が百合に情欲を持っていたって。
五条悟
うん、間違いない。あの特級呪霊、情欲を持って百合に触れていたんだ。
家入硝子
信じられないんだけど。
五条悟
胸とか触っていたんだ。凄く優しくね。
家入硝子
…見たのか?
五条悟
不可抗力だよ。
家入硝子
五条悟
睨まないでよ、硝子。僕溶けちゃう。
家入硝子
しかし、五条のジャケットが羽織られた時は何かと思えば、まさか下着までずらされていたとはな。
家入硝子
百合の姿を見て絶句したよ。
五条悟
流石に僕が下着を直すのは色々アウトだからね。ジャケットで隠すことしかできなかったよ。
家入硝子
それもそうか。それで、あの呪霊が取り込んでた呪物の回収が今回の任務だったのか?
五条悟
いや、伊地知から聞けば、回収する呪物は準1級相当の呪物であって、あれは別だったらしい。
五条悟
あの指を調べてみたんだけどね、「宿儺の指」って言う特級呪物だったんだ。
家入硝子
宿儺の指?
五条悟
呪いの王・両面宿儺の魂が宿った文字通り彼の指であって、全部で20本存在する。
家入硝子
足も含めてか?
五条悟
いや、宿儺は4本の腕を持つ鬼神で、全て手の指なんだ。
家入硝子
それと百合に何の関係が?
五条悟
それはまだ分からない。人間の負の感情から生まれる呪霊でもあるし、欲を煽られたってことも考えられないからね。
家入硝子
そう考えると気色悪いな。
五条悟
それに今回の任務、百合に対する上からの嫌がらせも考えられる。
家入硝子
なんで?
五条悟
伊地知には準1級相当の呪物の回収のことしか指示されていないみたしだしね。
五条悟
それにあの爺共、百合のこと気に入っていないこともあるけどさ、今回の引率担当は上の命令しか聞かない、保守派の宇佐美さん。
五条悟
もし、上の奴らが宇佐美さんだけあの指の存在を知らせていたとしたら、百合への嫌がらせができる。
家入硝子
確かに、それなら辻褄が合うな。
五条悟
あの腐ったミカン共め…。次百合に何かするならいっそのこと、上の連中全員殺してしまおうか?
家入硝子
五条、感情的になる気持ちは分かるが、今は百合が無事を喜ぼう。
五条悟
…そうだね。
家入硝子
それと、本当にいいのか?何もなかったことにするって。
五条悟
うん、その方が百合のためにもなる。今回のことでトラウマにならないといいけど…。
神楽坂百合
…どうしよう、眠れない…。
神楽坂百合
(今日のことが気になって仕方ない、本当に何もなかったの…?)
神楽坂百合
(硝子さんに何度聞いても気絶してただけの一点張りだし…。だけど、身体が覚えている…。)
神楽坂百合
(あの特級呪霊に身体を翻弄されたような、あの感覚が…。)
神楽坂百合
っ…。
((コンッ,コンッ…
家入硝子
どうぞ。
神楽坂百合
あの、硝子さん…。
家入硝子
百合。どうしたんだ?もうとっくに就寝時間だぞ。
神楽坂百合
その…、怖くて眠れなくて…。
家入硝子
…分かった。この仕事が終わったら、一緒に寝てあげよう。
神楽坂百合
っ…!ありがとうございましす、硝子さん!
家入硝子
百合、おいで。
神楽坂百合
はい…///
*神楽坂は家入の隣に横たわった。*
家入硝子
誰かと一緒に寝るのは初めてか?
神楽坂百合
はい…///いつも、1人だったので…。
家入硝子
そうだったのか。
神楽坂百合
っ…。
*家入は神楽坂の不安を察したのか、 神楽坂に抱き付いた。*
家入硝子
大丈夫だよ、百合。私達が君を守ってあがるから。また怖くなったら、私が一緒に寝てあげるからな。
神楽坂百合
硝子さん…///ありがとうございます…///
*数日後…。*
五条悟
本当に大丈夫なの、百合。
神楽坂百合
はい、もう大丈夫ですよ!
五条悟
そっか、今回の任務は2級呪霊の討伐だよ。気張ってね!
神楽坂百合
はい、いってきまーす!
五条悟
いってらっしゃーい、怪我しないようにねー!
神楽坂百合
はーい!
家入硝子
本当に大丈夫なのか?
五条悟
大丈夫、百合は強い子だから。
家入硝子
…そうだな。
五条悟
ていうか、硝子。最近、百合と寝てるらしいね。
家入硝子
誰から聞いたんだ?
五条悟
百合本人からだよ!いいなー、僕も百合と一緒に寝たいー!今度から僕が百合と一緒に寝てあげよー!♥️
家入硝子
君は百合に何かしでかしそうだから絶対駄目だ。
五条悟
硝子酷い!!
神楽坂百合
はぁっ!
2級呪霊
ア"ァァァ~…。
神楽坂百合
よし、討伐完了…!(前回、五条さんに迷惑かけちゃったからな、次から気を付けてないと…。)
神楽坂百合
っ…!(何、この悪寒…。それに凄い呪力を感じる…!)
神楽坂百合
ま、まさか…!
*神楽坂は後ろを振り返ると、 前回現れた特級呪霊だった。*
特級呪霊
ケヒヒッ!
神楽坂百合
どうして…。どうして、私なの…?
次回 「師走の時」