優しい嘘なら許されますか
偽りの愛は
どこを辿っても 変わらぬままですか
僕
深夜に二人
身体を重ねた二人は 偽りの愛を囁きあった
女
女
微かに鼻をかすめる甘い匂い
自身を売る彼女の言葉は
この世の何よりも安く感じた
僕
僕
ふと気になった僕は 単刀直入にそれを聞いた
何よりもどうでもいいが
売女の本気の愛ってのを 感じてみたかった
女
そう言うと、彼女は薄く笑って
女
投げやりに言い放った
何処か切なそうな
それでいて楽しそうな表情
この人の考えることは よく分からなかった
女
完全に僕に身を委ねた彼女
この取ってつけたような愛は どこで心からの愛になるのだろう
僕
ベッドの傍にあったミニテーブル
そこにあった紙に連絡先を書いた
僕
そう言って僕は部屋を出た
数日後
思惑通り 彼女からの連絡が来る
「もう一度会いたい」と
微笑み混じりの声が 受話器越しに流れた
だから、今日はその会う日
ワクワクしながら玄関先で 彼女を迎えた
女
控えめな声が玄関に響く
その声がなんとも愛らしかった
僕
自作の料理を出すと 幸せそうに食べてくれた
もう、僕しか愛せないような
それが本当の愛だと 僕は思うから
それを彼女に教えたい
女
女
満足そうに君が言った
これで、僕の事を 好きになってくれても良いのに
なんて、甘い考えが 脳裏をよぎる
甘いといえば、あの夜の 微かな甘い匂いを思い出す
本当の愛を問いただした あの夜を
女
女
僕
女
彼女からの告白
僕は即座に首を縦に振って 彼女を抱きしめた
彼女の熱と ほのかなシャンプーの香り
それが僕を包み込んで 溶かすように馴染ませていった
女
僕
女
女
女
だから何よ、とでも 言わんばかりに
強気な彼女は威嚇するような 顔をしていた
僕
僕
女
僕
今夜もまた
指を絡め、身を重ね
二人で偽りの愛を囁く
その言葉は何よりも薄く
風が吹けば遥か遠くまで 飛んでいくような愛だった
この愛を捨てられるのは 一体いつ?
この愛は
僕も君も、終わり方を知らない
コメント
84件
すごい、、 ハッピーエンドで終わるのかと思ったらまさかの結局偽りの愛だったとは! さすがですね!
恋愛の幅が広すぎます… 恋愛は1つじゃない!と教えさせられました👍✨
おぉー笑 なんか深いというか... すごいなぁ笑←語彙力0