圭
仁は…、まぁ、俺の中学一緒だった奴で、
圭
関係性はあんまり言いたくねぇけど、
圭
あいつは俺のせいで命を投げ出した
圭
あそこに置いてある靴は仁ので
圭
戒めとして俺が勝手に置いてる。
圭
たまに見に来てやるんだよ、なんか使命感?があってさ
瑞穂
それ、中学生の時の話?
じゃあなんでこの高校の屋上に置いてるの?
じゃあなんでこの高校の屋上に置いてるの?
圭
仁はこの高校で死んだんだよ
瑞穂
え…、どうして?
圭
うちの中学では屋上に入るのが禁止されてて、どう足掻いても屋上になんて入れなかった。
圭
だからここに不法侵入して身を投げたんだろ。
圭
それ程辛かったんだよ
圭
俺はその気持ちを踏みにじってたんだな
圭
マジで自己中…w
瑞穂
そうなんだ…、つまり、飛鳥井君と仁君はいじめっ子といじめられっ子?
圭
…………まぁ
瑞穂
別に責めないよ
瑞穂
こうやって反省してるんだから
圭
…そっか
圭
そういや、なんで仁の名前知ってたんだ
瑞穂
…あぁ、
瑞穂
そこに居るから、ね。
圭
は?
瑞穂
周りには言ってないんだけど、私…家系上霊感を持ってて
瑞穂
見れる霊は限られてくるんだけど、
瑞穂
…自ら命を絶った霊はとくに見える。
圭
…!
瑞穂
1番この世への思い残しが強いからなんだと思う、
瑞穂
現に仁君もそうだった。
圭
俺には見えねぇな
圭
本当にそこに居んのか?
瑞穂
居るよ!
瑞穂
メガネしててマッシュで二重でしょ?
圭
怖いくらいに特徴が一致してやがる…
圭
本当なのか
瑞穂
だから本当だって
圭
なら言っておきたい
飛鳥井は突然土下座をした。
瑞穂
えっ
圭
本当にすまなかった。
圭
許されない事は知っている、他殺も同然だし…、でもどうしてもお前に直接謝りたかったんだ。
圭
俺には見えねぇけど……まぁ怒ってるよな。
そこでようやく、僕の口が開いた。
仁
…許さない
仁
許さないけど、怒ってない
仁
今は戸惑いが強いよ
仁
君はそんな事思っててくれたの?
仁
てっきり僕が死んでそこで終わりなんだと思ってた。
仁
…あの時見えてなかったのは僕の方だったんだ
瑞穂
…
圭
……。
沈黙が続く。
瑞穂
…許さないけど、怒ってないって
圭
そっか、
そうして飛鳥井は姿勢を戻した。
圭
俺もう行くわ。
瑞穂
うん、じゃあね
飛鳥井が去って行くのを見届け。
瑞穂
…仁君、大丈夫?
仁
なんで
仁
なんであのとき2人で出かけようと提案してくれたの?
仁
瑞穂さんが変な目で見られるだけじゃん…
瑞穂
違うよ
瑞穂
君は地縛霊だから、その場所から離れれば成仏できると思ったの
瑞穂
でも、そっかぁ……君の話に出てきてたのは、飛鳥井君だったんだね
仁
色んな事が起こりすぎて、状況が飲み込めない……
瑞穂
私もだよ
仁
僕が3年前に死んだ幽霊で、3年越しにここに現れたって事?
瑞穂
そうかも
仁
全然そんな感覚無かったな…
瑞穂
そういうものなんだよ
瑞穂
何回か幽霊さんの話は聞いた事あるけど、みんな口を揃えてそう言う。
瑞穂
……そろそろお昼休み終わるから、私ももう行くね
仁
…はい、
眠るのではなく、眠ったような感覚になる。
毛布にくるまって寝転んでいるような感覚。
家のベッドみたい。
仁
……僕は成仏されちゃうのかな







