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日曜の朝。カーテンのすき間から光が差し込んで、部屋の空気が少し白く見えた。
ぽんずが尻尾を振りながらベッドの上をぴょんと飛び跳ね、悠斗の顔をぺろっと舐める。
悠斗
寝ぼけた声で笑う悠斗を見て、颯人はキッチンから思わず手を止めた。
颯人
悠斗
颯人
悠斗
なんでもない会話なのに、心がくすぐったい。昨夜の沈黙が、まだどこかに残っていて、言葉を選ぶのが難しい。
食卓に向かい合って座ると、ふと悠斗が口を開いた。
悠斗
颯人の手が止まる。
颯人
そう返す声は小さく、だけど確かだった。 悠斗は目をそらさず、まっすぐに見つめてきた。
悠斗
颯人は少し息を吸い込んで、テーブルの上に視線を落とす。逃げたいのに、逃げられない。
悠斗がそれほど大切になっていることを、もう隠せそうにない。
颯人
悠斗
悠斗の瞳が大きく揺れた。
颯人
悠斗
少しの沈黙。そして悠斗はゆっくり手を伸ばし、颯人の指先に触れた。
その温度が、まるで「答え」のようにやさしく伝わる。
悠斗
頬を染めながら、悠斗は微笑んだ。 その笑顔を見て、颯人の胸の奥で何かが静かにほどけていった。
ぽんずが二人の間をくるっと回って、しっぽを振る。まるで「ようやく気づいたね」とでも言うように。
──こうして、ふたりの朝が少しだけ違う色に変わった。
午後。日差しが傾きはじめたリビングで、悠斗はソファに座ってぽんずを抱いていた。颯人はその向かいで、ぼんやりとマグカップを持ちながら彼を見ている。
あの“触れた手”の感触が、まだ指先に残っていた。
悠斗
悠斗がぽつりと言う。
悠斗
颯人
悠斗
悠斗が小さく笑う。その笑顔を見て、颯人もつられて口元をゆるめた。
少しの沈黙のあと、悠斗がぽんずを撫でながら呟く。
悠斗
その言葉が、胸の奥にまっすぐ届いた。 颯人はそっと視線を落とし、照れくさそうに息を吐く。
颯人
悠斗
颯人
悠斗の頬がほんのり赤くなる。 ゆっくりと、ふたりの視線が重なった。
その瞬間――ぽんずが
ぽんず
と一声鳴いた。 ふたりは思わず笑って、張りつめていた空気がふっと和らぐ。
悠斗
颯人
悠斗
笑いながらも、悠斗の目にはやさしい光が宿っていた。それは、友達でも恋でもなく――そのあいだにある“まだ名前のない関係”。
夕方、玄関で靴を履きながら悠斗が振り返る。
悠斗
颯人
悠斗
颯人
悠斗はそのまま振り返ってドアを開けた
悠斗
颯人
悠斗
颯人
悠斗
オレンジ色の空の下で、 ふたりの影がゆっくりと寄り添っていく。
——この時間が、 もう少しだけ続けばいい。