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放課後。
空き教室。
桃、紫、赫、水、緑。
5人が集まっていた。
空気は重い。
紫
低く言う。
赫は壁に寄りかかったまま、 苛立ったように舌打ちした。
赫
誰も止めない。
見て見ぬふり。
それが、 一番残酷だった。
水
水
赫
緑は黙っていた。
ずっと。
静かに窓の外を見ている。
でも。
その目だけが、 異様に冷たかった。
桃
桃が小さく言う
桃
その声は震えていた。
黄を失う気がして。
怖かった。
すると。
今まで黙っていた緑が、 ぽつりと呟く。
緑
全員が黙る。
その言葉が、 あまりにも正しかったから。
その日から。
5人は、 ”無理に救わない” ことを決めた。
でも。
絶対に、 一人にはしない。
昼休み。
桃が黄を屋上へ連れ出す。
桃
黄
桃
黄
桃
少し強めの口調。
黄はビクッと肩を揺らした。
その瞬間、 桃の胸が痛くなる。
”怒られる” と思った顔だった。
桃
桃はすぐに声を柔らかくする。
黄は困ったように笑った。
黄
また謝る。
癖みたいに。
水は、 離れた場所からそれを見ていた。
そして、 静かにスマホを握る。
録音データ。 写真。 SNS。
少しずつ、 証拠を集めていた。
もしもの時。
黄を守れるように。
その頃。
いじめはさらに悪化していた。
理由は単純。
”黄に味方がいる”
それが気に入らない。
クラスメイト
放課後。
旧校舎裏。
男子四人。
囲まれる。
黄は首を振る。
黄
クラスメイト
肩を押される。
壁にぶつかる。
黄
クラスメイト
髪を掴まれる。
痛い。
怖い。
でも。
黄は抵抗しない。
抵抗したら、 もっと酷くなる。
クラスメイト
誰かが笑いながら言った。
その言葉。
黄は一瞬だけ、 何も感じなかった。
”あぁ” って思った。
”それ、 俺も考えてる”
その時。
ガンッ!!!
突然、 男子の腕が振り払われた。
赫
赫だった。
空気が凍る。
赤い目が、 本気で怒っていた。
赫
男子たちが舌打ちする。
クラスメイト
赫
低い声。
怖いくらい静かだった。
黄は慌てる。
黄
赫の動きが止まる。
またそれだ。
また、 ”助けなくていい” って言う。
赫は、 初めて怒鳴った。
赫
黄が固まる。
目が見開かれる。
怯えている。
その顔を見た瞬間、 赫は後悔した。
違う。
怖がらせたいわけじゃない。
ただ、 助けたかっただけなのに。
黄は震える声で言う。
黄
赫は目を伏せた。
胸が苦しい。
こいつ、 誰かに怒られることに慣れすぎている。