狼

桃赤

「ウルフ」

扉が閉まる音を聞く度

胸がきゅって締め付けられる

お兄ちゃんは

両親が亡くなってから

俺を可愛がってくれてた

でもいつからだっけ、

家にいる時間も少なくなったし

会話だってろくに出来てない

『俺がりいぬを守る』

なんて言ってくれてたな

生活費のために働いてる

わかってる

でも少しだけでいいから

一緒にいたいな

そう自分に言い聞かす

寂しくならないようにってダブルベッドにしてくれたのに

ﾊﾞﾀﾝｯ

びっくりした、

普段もっと帰りが遅いのに

でも、嬉しい、

俺はいつからか

好きになっちゃいけない人に

恋心を抱いていた

『兄弟』

この言葉が大嫌い

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

危なかった、

こんな時間に誰だろ

あーめんどくせえ

ﾋﾟｺﾝｯ

ころん 「僕んち来て。飲も」

俺が聞いたことない甘い声でころんを呼んだ

『お前には関係ない』

ぷつん、と何かが切れた

何もかもに腹が立ってきた

俺らを残した両親も

ただ性欲を満たす客も

俺自身にも

思い通りにならない人生に

さっきから黙ってる、怒ってくれてるのかな？

腕を掴む手だけが強い

これから何されちゃうのかなっ

かっこよく押し倒されて、、

やっぱり客にしてたこと？

俺もやっとかあ……、！！

可愛い弟を演じないと、

ち、違う違う！！

俺が求めてたのは！！

こう…かっこよくそういうことするんじゃないの、、？

そうか、これからか！

……嘘でしょ、？

もしかして、ノンケ？

なんで分からないの、！？

俺はまだそんな目で見られないのか、

客以下なのかよ、、

恥ずかしい、泣きそう

結局、俺が嵌められたのか

一体どこから嵌められたのか

でも俺はこれを求めてたの

何だっていい

兄弟以上の愛なら

ｴﾝﾄﾞ

タップお疲れ様でした🎶

良かったらはーとください (^^♪

ブクマ一言 ૮ . ̫ . ა❕ ❕