5人の天使と1人の悪魔

ブルークが呪文を唱えると、 不思議な床が空中に現れた

俺はその床を足場にして、 大衆たちの真ん中に立った

なんだなんだ?

死刑はどうなったんだ?

冤罪って何があったの?

やるぞ! スマイルのために!

え!?

どういうことだ!?

何が本当なの…?

スマイルがいなかったら、ここに立ってないでしょう…

俺はずっと孤独だった

あの子、ぜんぜん笑わないわよね?

おかしい子ね…

気味が悪い…

施設職員から嫌われていて…

他の子にも馴染めず…

ずっと1人で本を読んでいた…

そんなある日…

じゃあもう帰ってこないでね?

俺は捨てられた…

気味が悪いの

あなたみたいな子、残念だけどいらないの

迷惑だし…引き取られるようにしないとなのに

ずっと残られても迷惑なのよ

きっと、天使の皮を被った悪魔だったのね

悪魔もそうそう笑わないし、

ほんと…残念な子

そんなときだった

急に何?

てか誰よ?

!?

WT国幹部様ｯ!?

い、いや…

その…

いや…

それは…

!?

だ、だめｯ…

あ…あ……

ｯ…

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ…

最初は怖かった…

また捨てられたらって考えて…

そう困っていた…

でも…

優しそうな顔…

…信じていいのかな…?

そうして俺は、スマイルとWT国の幹部になった

優しい…

…この人なら、大丈夫かな…?

俺は幼いながら、そう心に誓った

え…

それは…

…言われてみれば…

ｯ…

…

…今考えたけど、本当の悪魔は私達だったのかも…

1人を差別し続けるって…

…たしかに…

それに比べて…その悪魔は…

俺らの平和のために戦ってくれた…

…なぁ…

もう悪魔だからって、差別するのやめようぜ…

そうだね…

これからは、スマイルさんも認めようよ!

うん!

ごめんさない!

私、スマイルさんのこと認めるわ!

俺も!

うちらも!

やった!

上手くいった!

スマイルさんのこと認めるー!

今までごめんなさい〜!

スマイルは、こっちに向かって飛んだ

…だが…

ｻﾞｸｯ…

スマイルの羽が 刺されたのだ…

そして…

ｸﾞｼｬｯ…

その一般兵は刺したナイフを引き、スマイルの羽を切り裂いた…

…処刑場に、1つの悲鳴が上がった…

う、ウワァ〜!?

た、大変だ!?

キャー!

そりゃあそうだよね…

仲間の悪魔なんて、ここにはいないもの…

そう言って、スマイルは彼の両羽を千切った

再生しないかもｯ…

俺は本当に絶望した

というか…悲しかった…

守れなかった…

あのとき… もっと早く俺が反応できれば…

スマイルがそう言うと、虹色の羽が生えてきた

スマイルは弱々しく返事をした後、医務室に行ってしまった

…そうして俺らは片付けをした…

続く…