CHAPTER1
恋愛初心者
乃愛
昇降口に貼りだされているクラス割表を見た幼なじみの乃愛が 大興奮して私に抱きついていた。
乃愛のチャームポイントのひとつである、綺麗に巻かれた キャラメル色の長い髪がふんわりと揺れる。
チナ
乃愛
1年生の頃から、さらに言えば幼稚園で出会ってから奇跡的に ずっと同じクラスだった乃愛。
2、3年生はクラス替えがないから、 自動的に3年間同じクラスでいられることが たった今確定した。
私と乃愛は昔から「双子みたいだね」と言われることが多かった。 顔は似ていないものの背格好はよく似ていて、 服装の趣味も似ているからなんの打ち合わせもしてないのに リンクコーデになることも珍しくなかった。
乃愛のロングヘアに憧れて、中学に入ってから髪を伸ばし始めた。 まだ乃愛ほど長くは無いけれど背中ぐらいまではある。 さらについ1か月前「ずっと思ってたけどチナ地味じゃない?」 と乃愛に言われて、私の髪もめでたくキャラメル色になったばかりだ。
とまあ、そんな唯一無二の親友と卒業式までの残り2年を楽しく 過ごせることが確定したのだから嬉しくないはずがない。
私も乃愛の背中に手を回して喜びを分かち合った。
うちの中学は1学年8クラスもあるから、3年間同じクラスでいられる 確率は決して高くないのだ。
乃愛
丁寧にメイクを施した幅の広い二重の目を優しく細ませて、 乃愛が私の手を取った。
今ならヒップホップダンスを軽快に踊れてしまいそうなほど弾んでいる 心を抑えきれない私たちは、足早に階段を駆け上がっていく。
主
主
主
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!