侵略を始めよう
Let's start the invasion
沢山人々が行き交うショッピングモール
今日はちょうど有名な歌手がミニライブするみたいで
いつもより沢山人がいた
私、「山野 優菜」は
友達の結婚祝いを買いに来ていた
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
ミシ…
優菜
優菜
パキッ……
優菜
優菜
バキバキ
優菜
女性客
優菜
男性客
男性客
男性客
男性客
優菜
行き交う人々
泣き狂う幼子
冷静とは思えない店員の人達
優菜
優菜
まるで、ゾンビ映画のワンシーンを見ているようだった
地面から手が這い出てきて
とてもこの世の者とは思えない者が
徘徊して、人々に食らいついている
女性客
女性客
女性客
女性客
バケモノは青白く、不気味に笑っている
10秒も経たないうちに女性客は息絶えたように白目をむいた
私もこうなってしまうのだろうか
優菜
優菜
優菜
優菜
男性客
優菜
男性客
優菜
走った
体ががどれだけ苦しいと叫んでも
走り続けるしかないと思ったから
走り続けてどれほど経っただろう
私はある場所にたどり着いた
ガチャ…
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
お母さん
お母さん
ぱたっ
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
優菜
フライパンを手にした
最初からこんなバケモノに勝とうなんて思っていない
お母さんが…
いつもそばにいてくれたお母さんがコイツに殺されたんだ
私も無様に負けて、お母さんのもとへ逝こう…
優菜
バン!バン!バン!
バン!バン!ぐしゃ!ぐちゅ!
ぶちゅ!!ぐちゅ!!
優菜
優菜
優菜
ニシシシシシシシシシシシシシシ!!!
優菜
優菜
ガブッ
ブチュ
ブシュ…
優菜
優菜
私の命が途切れる瞬間
耳に入ってきたのは
紛れもない、あのバケモノの高らかな笑い声だった
今日は、いつもと同じ、
会社との付き合いの飲み会になる
はずだった…
圭佑
圭佑
社長
社長
圭佑
圭佑
圭佑
社長
社長
圭佑
まぁこんな感じの会話がいつもずっと続いている
正直酒が飲めない俺としてはつまらない
圭佑
圭佑
ガタガタガタガタ
圭佑
圭佑
地震…そう思っていたのもつかの間だった
圭佑
俺の目の前に現れたのは
正真正銘バケモノだった
肌は青白くて
髪にはツヤがない
不気味に微笑んでいて唇は紫色になっていた
社長
社長
圭佑
圭佑
ドンッ
圭佑
社長
ぶちゅ
社長
目の前ではいつも元気な社長が
“バケモノ”の口の中にどんどん放り込まれていっていた
もしも社長を突き出して居なかったら?
きっと俺は……
男性客
圭佑
男性客
圭佑
男性客
圭佑
圭佑
心のどこでもない、どこかで意思を固めた俺は
どこに行くかなんて考えずに無我夢中で
走った
圭佑
どれだけ走ったのかは…
もう…わからない
俺はある高台に来ていた
圭佑
圭佑
そう思って見下ろした
俺の目に写った光景
それは……
圭佑
もう、何となく頭では分かっていた
ここは…地球はもうダメなんだって
目に映った街のようなものは
崩壊し尽くしていた
人なんていない、そうこの街は
“バケモノ“に占拠されていた
被害はここだけなのだろうか?
何気ない動作で気を紛らわそう
そう思ってスマホを開いた
圭佑
圭佑
圭佑
圭佑
もうどうでもいい
きっと誰もがそう思っているだろう
そう、
死へのカウントダウンなんてものはもうとっくに…
0だったんだ
invasion complete
侵略完了
コメント
6件
良く分からない生物に☆☆☆れてしまうなんて……
怖い
;:(∩︎´﹏`∩︎):;怖い… けど今回も面白かったぁ〜!