TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

侵略を始めよう

Let's start the invasion

沢山人々が行き交うショッピングモール

今日はちょうど有名な歌手がミニライブするみたいで

いつもより沢山人がいた

私、「山野 優菜」は

友達の結婚祝いを買いに来ていた

優菜

はぁ……

優菜

29歳で未だ彼氏を作ったことない私って…

優菜

哀れだなぁ

優菜

周りの人達はどんどん結婚していっちゃう

優菜

私も結婚願望あるんだけどね…

優菜

まぁ悩んでもどうしようも無いし

優菜

さっさと用を済ませなきゃ

ミシ…

優菜

……?

優菜

気のせい…か

パキッ……

優菜

優菜

今地面が……

バキバキ

優菜

え?

女性客

きゃーー!

優菜

ちょっと、なにがあったの?!

男性客

逃げろーー!!

男性客

じ、地面からどんどん手が出てきてるんだ!!

男性客

急げ!

男性客

逃げるんだ!

優菜

え?え?

行き交う人々

泣き狂う幼子

冷静とは思えない店員の人達

優菜

これは…?

優菜

なんなの?

まるで、ゾンビ映画のワンシーンを見ているようだった

地面から手が這い出てきて

とてもこの世の者とは思えない者が

徘徊して、人々に食らいついている

女性客

いや!こないで!

はははははっ

((ガブッ))

女性客

ひぃ!

女性客

痛い痛い!

女性客

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!

ニシシ……

バケモノは青白く、不気味に笑っている

10秒も経たないうちに女性客は息絶えたように白目をむいた

私もこうなってしまうのだろうか

優菜

やだ…

優菜

こんな所で死にたくないっ!

あははははっ

優菜

笑ってる?

優菜

感情があるの?

男性客

おいそこの女!

優菜

え?

男性客

早く逃げるぞ!

優菜

あっ!はい!

走った

体ががどれだけ苦しいと叫んでも

走り続けるしかないと思ったから

走り続けてどれほど経っただろう

私はある場所にたどり着いた

ガチャ…

優菜

お母さん!

優菜

お母さん!

優菜

ねぇ!

優菜

今、外が大変なの!

優菜

ここだっていつ、あのバケモノに侵略されるかわかんないから…

優菜

早く逃げよう!

優菜

ねぇねぇ!

優菜

お母さんって…ば

ふふふ…

お母さん

早く……逃げなさい

お母さん

ゆうな____

ぱたっ

優菜

嘘…お母さん?

優菜

冗談だよね?

優菜

早く、立ってよ〜

優菜

に、逃げ遅れちゃうよ……

優菜

お母さん……

にひひひ……

優菜

………

優菜

……お前が……

優菜

お母さんを……

フライパンを手にした

最初からこんなバケモノに勝とうなんて思っていない

お母さんが…

いつもそばにいてくれたお母さんがコイツに殺されたんだ

私も無様に負けて、お母さんのもとへ逝こう…

優菜

おりゃー!!

ニシシシ……

バン!バン!バン!

うっ

バン!バン!ぐしゃ!ぐちゅ!

ぶちゅ!!ぐちゅ!!

優菜

はぁ、はぁ……

………

優菜

え?

優菜

動か……ない?

フッ……

ニシシシシシシシシシシシシシシ!!!

優菜

きゃっ!

優菜

やっぱり…ダメだったか

ふふふ

ガブッ

ブチュ

ブシュ…

優菜

お母さん……

優菜

仇をとれなくて、ごめん…なさい

ハッ……

はははははははは

私の命が途切れる瞬間

耳に入ってきたのは

紛れもない、あのバケモノの高らかな笑い声だった

今日は、いつもと同じ、

会社との付き合いの飲み会になる

はずだった…

圭佑

社長飲みすぎじゃないですか?

圭佑

顔が真っ赤ですよ

社長

そうかぁ〜?

社長

圭佑は酒飲めねぇんだっけー?

圭佑

はい

圭佑

両親ともに酒が弱くて

圭佑

僕にも遺伝しちゃったんです💦

社長

大変だなぁ

社長

こんなにうめぇのに…

圭佑

あはは……

まぁこんな感じの会話がいつもずっと続いている

正直酒が飲めない俺としてはつまらない

圭佑

はぁ……

圭佑

断っとけばよかったな……

ガタガタガタガタ

圭佑

え?

圭佑

地震?

地震…そう思っていたのもつかの間だった

キャキャキャキャキャ

圭佑

なんだよ……あのバケモノ

俺の目の前に現れたのは

正真正銘バケモノだった

肌は青白くて

髪にはツヤがない

不気味に微笑んでいて唇は紫色になっていた

ニシシシ……

社長

あぁー?

社長

なにが起こってるんだ〜?

圭佑

っ……

圭佑

ここはしょうがない…よな

ドンッ

圭佑

ごめん、社長さん…

ニシッ

社長

ふえぇ?

ぶちゅ

社長

痛いっ!

目の前ではいつも元気な社長が

“バケモノ”の口の中にどんどん放り込まれていっていた

もしも社長を突き出して居なかったら?

きっと俺は……

男性客

おい!そこの若い奴!

圭佑

えっ!

男性客

早く逃げるぞ!

圭佑

でも……

男性客

グダグダするな!

圭佑

圭佑

はい…!

心のどこでもない、どこかで意思を固めた俺は

どこに行くかなんて考えずに無我夢中で

走った

圭佑

はぁはぁ

どれだけ走ったのかは…

もう…わからない

俺はある高台に来ていた

圭佑

ここからなら……

圭佑

街の様子がよく見えるはず…

そう思って見下ろした

俺の目に写った光景

それは……

圭佑

も、もう終わりだ…

もう、何となく頭では分かっていた

ここは…地球はもうダメなんだって

目に映った街のようなものは

崩壊し尽くしていた

人なんていない、そうこの街は

“バケモノ“に占拠されていた

被害はここだけなのだろうか?

何気ない動作で気を紛らわそう

そう思ってスマホを開いた

圭佑

そんな……

圭佑

地球の4割?

圭佑

そんなの冗談じゃない…

圭佑

あはははは、…

もうどうでもいい

きっと誰もがそう思っているだろう

そう、

死へのカウントダウンなんてものはもうとっくに…

0だったんだ

ニシシシシシシシシシシシシシシ

ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

invasion complete

侵略完了

この作品はいかがでしたか?

610

コメント

6

ユーザー

良く分からない生物に☆☆☆れてしまうなんて……

ユーザー

怖い

ユーザー

;:(∩︎´﹏`∩︎):;怖い… けど今回も面白かったぁ〜!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚