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りょうぼー、知らないうちに大呉の言葉に染まっていく感じが本当にゾッとしました。「そのままでいいんだ」って、優しさに見せかけてじわじわと支配する口調……ここが今回の肝ですよね。大呉の「りょうぼーにだけは良い印象を持たれたい」という矛盾した独占欲も気になるし、彼が本当に悪人なのか、それとも守るために歪んでしまったのか、まだ読めない。設定の重さと心理描写のバランスが絶妙で、続きがすごく気になります。
五十嵐大呉
大呉の話に嘘はない。しかし、重要なことをいくつか話していない。彼らが罹っているのは”病気”ではなく疫病である。あと十数年しか生きられないという現実を伝えない事で、少しでもりょうぼーの心労を減らそうという気持ちがあった。しかし、心の奥底ではりょうぼーを自分の思い通りに動かそうという気持ちも大呉の中では働いていた。
りょうぼー
大呉は自室にひとまずりょうぼーを匿うことにした。この世界の女に新しい男がやって来たことを知られたら蜂の巣をつついたような騒ぎになることは分かりきっているからだ。そうなる前にりょうぼーに事情説明だけ済ませておきたかった。
五十嵐大呉
りょうぼー
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
りょうぼー
五十嵐大呉
コンコンと部屋の扉がノックされる。それに対して、大呉は顔を顰める。
五十嵐大呉
クロエ
りょうぼーは不安そうに大呉を見る。大呉はりょうぼーをベッドの掛け布団の下に隠し、クロエを部屋に入れた。クロエは人1人分膨らんだベッドをチラリと見ると少し焦りを覚えたような表情で大呉を見た。
クロエ
クロエ
五十嵐大呉
クロエが部屋を出るとりょうぼーは掛け布団を剥がす。すると、豪華な食事が大量に運ばれてきているのが目についた。
りょうぼー
五十嵐大呉
りょうぼー
りょうぼー
五十嵐大呉
大呉はりょうぼーにできるだけ今自分がしていることを知られたくなかった。国のために子作りを毎日繰り返していること。他の誰になんと思われようとどうでもいいと思っていたが、りょうぼーにだけは自分に対する印象を出来るだけ良くしておきたかった。
五十嵐大呉
りょうぼー
りょうぼーは納得すると、お腹が空いていたのか目の前にあったスープを口に含む。そのスープを嚥下する時に上下に動くりょうぼーの喉仏を、大呉はパンをかじりながら横目に見ていた。
りょうぼー
りょうぼー
五十嵐大呉
ピシャリと大呉は断言する。2人だけの静かな食卓にカトラリーがカチャカチャと音を立ている。
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
大呉の言葉で事の重大さを理解したのか、りょうぼーは萎縮し、スプーンを動かす手が止まる。
りょうぼー
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
五十嵐大呉
大呉はりょうぼーの目を見て、穏やかに言い聞かせた。まるで大呉の言うとおりにすれば、何もかも上手くいくと思わせるようなそんな甘い言葉がりょうぼーの頭に染み込んでいった。