ロゼ
ロゼ
ロゼ
「ゲームの再構築が完了しました。」
真っ白だった空間が徐々にその輪郭をはっきりさせる
一気に視界を埋めつくしたのは
紫、青、橙、黄、赤、桃色の風船
現れたのは今までとは全く違う世界だった
楽しい思い出を置き去りにされたさみしい廃墟の遊園地
「新しいゲームをスタートします。」
🧡
🧡
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戸惑うはーの言葉を♥️くんはゆるゆると首を振って否定する。
その身体はガクガクと震えていた
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この時初めて♥️くんが不安な表情を僕に向けてきた
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「新しい魔王の出現を確認しました。」
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「魔王を倒せばゲームクリアです。 この世界を救ってください」
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🧡
青色の風船がどこからともなく湧きふわりふわりと浮き上がってきた
無数の風船が飛んでいくと音もなく何かが近づいてくる
ピンクの肌の、美しい天使
最初に抱いたのはそんな印象
美術品のように整った顔に 彫刻のようななめらかで美しいピンクの肌 髪の毛はふわふわとしていて翼が生えてる 胸元にはピンク色の核
閉ざしたまぶたがゆっくりと開き、それが生きているものだとわかった
彼をどこかで……
その生き物は天を指し、時計の針のように円を描く
伸ばした人差し指からぽつぽつとピンク色の光が無数に宙に灯る
全員その幻想的な光景を見つめていたが急に♥️くんが大声で叫んだ
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円を象った無数の光が急に光をましてこちらに飛んできた
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僕達はひと足早くその場を走り出していた
振り返ると今まで僕たちがいた場所に矢が無数に突き刺さっていた
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♥️くんが言った直後すぐ後ろで爆発が起こった
無数の矢が建物を壊し土煙が立つ
モンスターだったものが光の粒になりただただ上空に消えていく
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♥️
♥️
至る所で風船が飛んでいる 廃墟の雰囲気はそのままだ
♥️くんの誘導に従って小さな部屋に入り手近な棚を扉の前に置いた
そこでようやく疲労が襲ってきた
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それは僕だけではないようだった
🧡もその場でへたりこみ、先輩も棚に身体を預けて息を整えていた
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ガンッ!!
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うつむいた♥️くんがブツブツ何か言っている
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うるさい!
僕が伸ばした手を♥️くんが勢いよく振り払いこちらを睨みつけてきた
僕を睨みつけながらもその顔はこわばていた
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子供のように喚き散らし♥️くんは震える手で顔を覆っていた
いつもの温厚な♥️くんとも、さっきまでの冷たい♥️くんとも違う
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♥️くんの顔は蒼白で身体も震えていた ♥️くんの様子は尋常じゃない
僕の声も届いてない
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虚空に向かって叫んだ♥️くんの目は血走り涙が浮かんでいた
♥️くんがおかしくなっちゃう…!
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僕は♥️くんの頬を殴っていた
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尻餅をついた♥️くんの口から血が滲んだのを見て僕も冷静さを失っていることに気付いた
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♥️くんはか細い声で僕を呼んだ
俺…どうしたらいい……?
♥️くんは奥歯を噛み締めると口の端から血が溢れ涙と混ざって足元に落ちた
♥️
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♥️くんは俯いたまま僕の腕をぎゅっと掴んできた
ひゅと喉を震わせてずっと喉の奥に押し込んでいた言葉を発した
♥️
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僕はその言葉をずっと待っていたのだとわかった
♥️くんはずっとずっと苦しんでいた。 僕は気づいていたのに気づかない振りをしていた
♥️くんが隠すことなんてきっと恐ろしいことに決まってる
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♥️くんは驚いた顔をしながらまだうつむいた
髪の間から笑った口元と涙の滲んだ目が一瞬見えた
♥️
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♥️
♥️くんは僕を頼ってくれた。 💖くんは僕に助けを求めていた。 答えられるのは僕しかいない。
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これから話すことは多分恐ろしい事実
わかってる
でも耳を塞ぐわけにはいかない
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🧡
♥️
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♥️
♥️くんの顔は曇り、うなずくことをためらっていた
想像よりも悪いことが起こっている。僕が感じるのはそれだけ
それでももう目を逸らさないと決めた。 何も分からないままにはしたくない。 ♥️くんだけつらいことを背負わせたりしない
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♥️
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僕にできることは無事でいて欲しいと祈ることだけだった
♥️くんがゆっくりとうなずき、ホッとした矢先
♥️
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自分のことのように傷ついた顔をして♥️くんはその言葉を口にした
💖くんが新しい魔王になった
コメント
6件
なん…だと…!?続き待ってます!(;゚Д゚)
なぜそんな神作しか作れないんですかロゼ様() 何この僕との圧倒的な差は((
新しい魔王…はさとみ?まじか 続き楽しみ!((o(^∇^)o))