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コメント
6件
え、ちょっと待って天才すぎませんか、 表現の仕方とかプロなんですけど.. 🫣💓 本当に大好きコンテスト参加ありがとう 結果楽しみにしててね🫶💖
まじで天才すぎるって 最高すぎる
いや、最高すぎます😳 続きが見たいぐらい好きすぎる
春の風が教室に流れ込んで来た時
何かが始まる気がした
朱 里
新学期が始まり、知ってる顔がほとんどいない中
私は窓際に座っていた
しんと静まり返った教室に
風で揺れるカーテンの音だけが響いていた
千 冬
千 冬
千 冬
不意にかけられた声に顔を上げると
金髪の男の人が立っていた
朱 里
朱 里
千 冬
彼は少しだけ眠たい目をしていて、
でも鋭さも含んだ目をしていて
思わず息をのんだ
これが、松野千冬との出会い____
最初はただ、隣に座るクラスメイトだった
千 冬
千 冬
朱 里
けど、彼はとても見た目に反してとても気さくで
ノートを見せてくれたり小テストの答え合わせまで
一緒に付き合ってくれた
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
朱 里
朱 里
千 冬
千 冬
千 冬
ちょっとだけ照れくさそうに笑う千冬
私は心の奥がくすぐられるような違和感を覚えた
日が経つにつれて、
千冬は私の名前を呼んでくれるようになった
千 冬
朱 里
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
朱 里
そんなふうに、さりげなく距離を縮めてくる彼に
私はだんだん目が離せなくなった
この時は、来月ある体育祭の種目決めをしていた
朱 里
私は突然の出来事に、思わず声が出た
朱 里
朱 里
断る雰囲気が壊され、流れで言ってしまった
放課後、学校近くの公園で走る練習をしていた
走るのはあまり得意ではない
朱 里
朱 里
でも、引き受けた私が悪い
そう思いながら何度も走り続けた
朱 里
上手く走れずうずくまっていると
誰かがそっと、私の隣に座った
千 冬
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
彼はいつもと少し違う、優しい声で私に言った
その時、心の奥がじんわり熱くなるのを感じた
朱 里
千 冬
千 冬
彼からの応援は、私の中で大きく響いた
春が夏に変わる頃
いよいよ体育祭当日になった
でもやっぱり、走るのは得意ではない
「頑張れ」ってクラスの子に期待されて
プレッシャーで押しつぶされそうになっていた
朱 里
スタート地点で深呼吸をしていると
千冬が後ろからこっそり声を掛けてきた
千 冬
千 冬
朱 里
その一言だけで足が軽くなった気がした
バトンを受け取って走ってる途中
ゴールの向こうに千冬の姿が見えた
誰よりも応援してくれている姿が目に焼き付いた
朱 里
千 冬
千 冬
朱 里
結果は2位。でも私の中でなにかが残ったままだった
ある日の放課後
校舎の裏で、千冬が女の子に告白されているのを
見てしまった
千 冬
彼は少し困った顔をしていて
何かを言いかけていた
けれど私はその場を離れた
これ以上聞きたくなかったから
朱 里
『 どうせ私なんかじゃない 』
そんな思いが、私の頭の中に過った
それから数日
私は上手く千冬に笑えなかった
目も合わせられなかった
朱 里
この事を聞いて
私は、千冬から離れようと思った
心が満たさない時の帰り道
私はとても虚しかった
その時、誰かが後ろから声をかけた
千 冬
朱 里
彼は走ったのか、息が切れていた
千 冬
千 冬
朱 里
千 冬
朱 里
千 冬
千 冬
千冬は、少し寂しげな声で言った
朱 里
千 冬
朱 里
そう聞くと、千冬は呆然としていた
千 冬
千 冬
千 冬
一瞬、時間が止まった気がした
朱 里
千 冬
千冬はその後少し間が空いて、静かに言った
千 冬
千 冬
千冬は少し顔を赤くしていた
その言葉は私に真っ直ぐ届いた
朱 里
千 冬
朱 里
私は抑えていた気持ちが溢れ
小さく笑ってしまった
千 冬
朱 里
千 冬
千冬は少し驚いた顔をした後
笑みを浮かべた
千 冬
千冬はそういい、私を優しく抱きしめた
あの春の風が
私達の恋を始めてくれたのかもしれない___