半径5m以内の愛し方

<　千切　　　　　　　　　　🔎 📞 三

勝手に編入させられて

逆らうことも出来ないで

きっと、おばあちゃん怒るだろうな

でももういっか。

縁切ったんだ。

解放されたんだ、わたしはきっと

誠士郎からさえ逃れれば

自由なんだよな

あと少しの辛抱だから

理想の王子様を探すために

でも

そんな人

<　千切　　　　　　　　　　🔎 📞 三

はじめてだったなあんな人

わたしのことを責めないでいてくれる

うれしいな

認められたのかな

やっと

もしかして千切くんが私の─

……なんて、

そんなわけ

ないか

べしゃっ

転んだだけで笑ってくれる人も 転ぶことに怒らない人も 怪我について心配してくれる人も

はじめてだった

おばあちゃんも、おじいちゃんも、友達も、みんなみんな私に""完璧さ""を求めていた

ただ、母は、 求めていなかったかもしれない

この人はなにか

母に似ている

またわたしは、母に溺れる

ぎゅ（袖掴

一方

「お前はひとりじゃない」

やっぱり、この人は運命の人だったんじゃないか。

ね、お母さん

あってるよね

だったらこの人に"俺"のこと

話してもいいよね

お姫様と王子様はうまくは結ばれない

私の人生は、もしかしたら

そういう結末なのかもしれない

to be continued