テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
3,365
彩っさん
※2人とも学校の先生です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5 side
午後の授業中。
教室には、チョークの音と生徒たちのざわめきが静かに混ざっていた。
5
俺が黒板に向かって説明しようとした、 そのとき
つるっ
5
足元に置いていたチョークケースに引っかかり、そのままバランスを崩す。
ガタン、と机にぶつかりながらなんとか転倒は免れたものの、教室が一瞬しんと静まり返った。
モブ
前の席の生徒が心配そうに声をかける。
5
顔を真っ赤にしながら慌てて体勢を立て直す。
その様子に、教室のあちこちから小さな笑いが漏れる。
モブ
モブ
悪気のない声に、余計に恥ずかしくなる。
5
5
なんとか取り繕いながら黒板に向き直るけれど、耳まで熱いのが自分でもわかる。
そのとき。
ガラッ🚪
教室の扉が開いた。
4
入ってきたのは、タクヤだった。
一瞬で、空気が少し引き締まる。
モブ
モブ
生徒たちがざわつく中、タクヤは教室を軽く見渡し、そして俺に視線を向ける。
4
低く、落ち着いた声。
さっきまでの空気が嘘みたいに静まる。
4
5
思わず俺まで背筋を伸ばしてしまう。
その反応に、近くの生徒がくすっと笑った。
モブ
5
慌てる俺をよそに、タクヤはゆっくりと教室の中へ入ってくる。
4
あくまで教師同士の会話。
でも、その視線がほんの少しだけ柔らかくなるのを、俺は見逃さなかった。
5
黒板を指さそうとした瞬間
カラン
またチョークを落とした。
5
しん、と一瞬の沈黙。
そして次の瞬間、教室に小さな笑いが広がる。
4
タクヤが呟いたその声は、他の誰にも聞こえないくらい小さかった。 でも、俺にはしっかり届く。
5
ぼそっと返すと、 タクヤがわずかに口元を緩める。
4
何気ない動作でチョークを拾い、 手渡してくる。 そのとき、一瞬だけ指が触れた。
5
びくっと反応してしまって、生徒の一人が首を傾げる。
モブ
5
慌ててチョークを握り直す。
5
俺は少し早口になりながら授業を再開する。
その様子を見て、タクヤはくすっと小さく笑った。
4
そう言ってかかとを返す直前
4
すれ違いざま、誰にも聞こえない声で囁かれる。
5
一瞬で心臓が跳ねる。 でも振り向くことはできない。
4
4
モブ
いつもの教師の顔で教室を出ていくタクヤ。 扉が閉まる音がやけに大きく感じた。
モブ
5
すぐに返したけれど、全然誤魔化せていない気がする。
生徒たちにはただの少し怖めな先生に見えているはずなのに
自分だけが知っている、あの視線と声。 それを思い出すだけで、また胸が熱くなる。
5
なんとか平静を装いながら、授業を続ける。 でも、さっき触れた指先の感覚が、なかなか消えてくれなかった。