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リリア💙🤍
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食パン
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#復讐
すっこ
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――――翌朝。
寝ぼけ眼をこすりながら浴室へ向かう。
シャワーを浴びて着替えた後、今度はリビングへと足を向けた。
フラフラした足取りでソファーに辿り着き、ぐったりともたれ掛かる。
もか
ソファーの背もたれに後頭部を乗せれば、脱力しきった体はズルズルと傾いていく。
そして、ごろんと寝そべった。
目線の先には、アンティークな造りの掛け時計がある。
もか
昨日の夜は春とベッドでまどろんで、その後自室に戻ってから、もう一眠りした。
ベッドに横たわり、目が覚めれば朝の5時。
2度寝する気も起きず、シャワーを浴びた後は部屋にも戻らず、ここで1人くつろいでいる。
もか
もか
倦怠感が残る身体を持て余す。
それは久々に味わう、充実した疲労感。
身体だけの関係でいえば、春とは数ヶ月くらい疎遠だった。
バスケの練習試合に高体連も重なり、それが終われば引退と共に、新キャプテンへの引継ぎと指導が待っている。
お陰で数ヶ月は忙しい日が続いていて、春と一緒に過ごす時間すらなかった。
部活の主将は色々と大変な目にあうと聞いていたけれど、正直これ程だとは思わなくて。
しかもこの高校は、県有数のスポーツ強豪校だ。
高校バスケにおいても、毎年好成績を残している。
学校側としても、主将の後釜にはきっちり指導を入れたかったようで。
全てが終わった頃、季節は秋を迎えていた。
もか
互いに触れたいと密かに思ってはいたけれど、私には時間的にも精神的にも余裕がなかった。
春も気付いていたのか、私を誘うことはしなかった。
気を遣ってくれたんだと思う。
もか
もか
自分の中でどうしたいのかは決まってる。
春の為にも、この曖昧な関係を断ち切るべきだって。
もう少しだけこの関係を続けたい、そうは思っても、いつまでもズルズルと引きずっていいわけがない。
長引かせた分、自分が辛くなるだけだから。
もか
大学生になれば、仲間と呼べる人が増えて、人脈も広がって、いずれ恋人と呼べる人だって出来るかもしれない。
春にとって大切な人が出来た時に、私の存在が、この関係が、重荷になっちゃいけない。
そうなる前に、この関係を終わらせた方がいい。
もか
でも、どう伝えればいいのか。 どのタイミングで言えばいいのか。
それが、私の頭を悩ませている。
――――来年は兄弟2人とも、この家を出て行く。
残される私も、この家を出ようと思ってる。
桐谷家で暮らしている以上、例のしきたりに従わなきゃいけない事もある。
でも、それだけじゃない。
両親を事故で亡くして、泣きじゃくる私を抱きしめて支えてくれた。 快く引き取ってくれて、家族同然に接してくれた桐谷のおばさんとおじさんに、恩返しがしたい。
私が進学せずに就職を選んだのは、その為だ。
いつまでも、この家にご厄介になるわけにはいかない。早く自立して働けるようになりたかった。
私は1人でも大丈夫だよって、桐谷のおじさんとおばさんを安心させてあげたかった。
それに1人暮らしって、ちょっと憧れだし。
郁也
もか
もか
郁也
もか
む、としながら声の主を睨み付ける。
ソファーの背もたれ越しに、冷めた目つきで私を見下ろしている郁兄の姿がある。
スーツをばっちり着こなしている姿は悔しいくらいに格好いい。
女の子達が騒ぐわけだ。
もか
郁也
もか
郁也
もか
郁也
郁也
もか
郁兄は家に不在なことが多い。
その休日出勤とやらが会社の指示なのか、それとも郁兄本人の意思なのかはわからないけれど、社会人ってこういう事なのかな、って現実を思い知る。
郁也
郁也
もか
なんて、軽い嘘をついた。
部活を引退した今、朝練の為に早起きする必要はなくなった。
今日早く起きたのはシャワーを浴びたかったからで、つまり春との情事の所為なんだけど、当然郁兄に言えるわけがない。 早く身体を洗いたかった理由まで説明しなきゃいけなくなる。
だから咄嗟に嘘をついたけど、その嘘自体に違和感はなかったと思う。
郁兄本人も疑うことなく、興味なさげな返事だけを残してリビングへと行ってしまった。
起き上がって、その背中を黙って見つめる。
もか
改めて思う。 春と郁兄は、本当に性格が真逆だ。
優しくて自分より他人を気遣う春は、その性格故か、人より一歩引いてしまう癖がある。
逆に郁兄は、自らが率先して動くタイプだ。
自分にも他人にも厳しい郁兄は、遠慮なしにズバズバとものを言って、自らの意見を貫こうとする。時には、強引に。
――――数年前を思い出す。
あれは中学の学力テスト前。
春から勉強を教わっていた時、その光景を見た郁兄に怒られたことがあった。
郁也
春樹
郁也
郁也
そう言って家を出て行った郁兄に、腹が立たなかったと言えば嘘になる。
でも今にして思えば、郁兄は何も間違ったことは言ってない。
ノートや教科書を見返せば、自力で解けるような問題ばかりだった。
私は春から教えを乞おうとして、楽をしようとしてただけ。
郁兄に言われて、春に頼りすぎている自分に気付けたんだ。
もか
そんな郁兄のことを、私は尊敬してる。
郁兄の厳しい言い分にはちゃんと意味があって、それは少なからず、私達の為になっている。
もか
郁也
もか
インスタントのカップコーヒーを片手に、郁兄はこっちを振り向いた。
眉間に皺を寄せながら、はあ? と私を見返してくる。
もか
郁也
もか
郁也
郁也
もか
郁也
もか
もか
何か、春との関係に見切りをつけるキッカケみたいなものを掴めたら。
そんな軽い思いつきで問いかけてみたけれど、その答えはやっぱり、掴めそうになかった。
郁兄は普段から口悪いし、無愛想だし、スパルタ教育だけど。 私や春がヘコんでたり迷っていたら、叱咤するなり渇を入れるなり、郁兄らしいやり方で元気付けてくれる。
時には手厳しいアドバイスをして、答えを導いてくれる。
もか
今抱えてる問題も、郁兄に相談出来たらよかったのに。
でもこれは、春と私と、私の気持ちの問題だ。
やっぱり自分で考えるしかないみたい。
もか
郁兄に聞こえないように呟く。
ぽすん、とソファーにもう一度寝転んで、小さく息を吐いた。
――――コチ、コチ。
静寂な空間に、時を刻む音が響く。
目を閉じながら長針の音を聞いていたら、間近で布擦れの音が聞こえた。
重い瞼をこじ開ければ、コーヒーカップを持った郁兄が視界に映る。
ソファーの背もたれに肘を乗せて、私をじっと見下ろしている。
郁也
もか
尋ね返しても、郁兄は何も喋ろうとしない。
私から視線を外して、残り僅かなコーヒーを飲み干している。
郁也
郁也
もか
もか
いつもストレートにものを言う郁兄が、途中で言い淀んで発言を止めるなんて珍しい。
らしくない態度が逆に気になって、私はもう一度問いかける。
もか
しつこく質問攻めすれば、郁兄は観念したかのようにため息をついた。
コメント
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「第4話読みました!もかの『春のために関係を終わらせなきゃ』って気持ち、すごく伝わってくる…。頭ではわかってても踏み出せないもどかしさと、自立して恩返ししたいっていう健気さにグッときました。郁兄に相談できないもどかしさも分かる。でも最後の『お前さ、実は…』で止まる郁兄がめちゃくちゃ気になる!続き楽しみにしてます!」