テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
桃下結衣さん、第5話読了しました〜🥀🤍 もかの「春に彼女が出来るなんて嫌だ」って本音と、それを押し♡♡♡自分にグッときました。郁兄にバレバレだったのも、「女なんだから」って髪撫でてくるところも、何だか切なくて甘くて…。この関係がどう転ぶのか、続きがすごく気になります!
郁也
もか
郁也
もか
――春に、彼女がいたら。
そう訊かれて、ズキンと心に痛みが走った。
胸が締め付けられて息苦しい。
郁兄の発言に、ショックを受けている自分に愕然とした。
春に素敵な彼女ができたらいいなって、自らそれを望んでいたくせに。 他人から言われたら、酷く傷つくなんて。
私には絶対に得られない、春の彼女になれる権利。
何度も望んでしまいそうで、でもそんなの許されないから。
だから無理やり、この関係を断ち切ろうと必死になった。強がった。
来年の春までに―― そう期限を設けて、自分を追い込もうとした。
同時に、来年の春まではこの関係を続けられる……そんな甘い思考にも陥った。
もか
もか
どう伝えれば、自分の心が傷つかないか悩んだ。
どのタイミングで言えば、春との関係を引き伸ばせるか迷った。
なんて、いやらしいんだろう……私。
もか
それが本音。
でも、それを主張する権利は私にはない。
もか
もか
はなから報われない恋だってわかってた。
見向きもされない想いだってわかってた。
だから普通の家族に戻ろうって決めたのに。
もか
視界がじわりと滲んできて、泣きそうになるのを必死に堪える。
ここで泣いてしまったら、郁兄に私の片想いがバレてしまうかもしれない。
泣き顔なんて……見られたくない。
もぞりと体を反転させて、郁兄に見えないように顔を隠した。
郁也
もか
震えそうになる声を必死に耐えた。
もか
もか
何度も何度も、自分に言い聞かせる。
郁也
もか
郁也
もか
それが何、と言おうとした私の言葉を遮るように、郁兄の言葉が重なる。
郁也
もか
郁也
もか
待ったを掛けてみるも、郁兄の弁論は止まらない。
郁也
もか
郁也
もか
勢いよく体を起こして郁兄に噛みつく。
てか、結婚って何だ!
もか
郁也
もか
もか
至極全うな反論をしたつもりなのに、郁兄は不満そうな顔つきで私を睨んできた。
睨まないで! こわい!
郁也
もか
郁也
もか
郁也
もか
もか
もか
今の私はきっと、鳩が豆鉄砲くらったような顔をしてると思う。
それくらい、郁兄が放った一言は衝撃的だった。
郁也
もか
郁也
郁也
もか
私の否定をまるで信じていない様子だった。
もか
もか
完全にフリーズしてる私を無視して、郁兄は空になったカップをゴミ箱に投げ捨てた。
そして鞄の中から、車のキーを取り出す。
郁也
もか
あっさりリビングを出ようとする郁兄を、無言のまま目で追うしかない私。
今までのやり取りが嘘のような自然体。
もか
もか
モヤモヤした気持ちが胸の内で燻る。
仕事へ向かう郁兄を引き止めるわけにもいかず、私はその背を見送るしかなかった。
けれど、リビングのドアに手をかけようとした郁兄の足が、途端、ぴたりと歩みを止める。
何か忘れ物でもしたのかな? そう思った私に、郁兄は近づいてきた。
郁也
もか
郁兄の手が、私の前髪に触れた。
付着していた糸くずを取ってくれたらしい。
もか
郁也
もか
郁也
郁也
もか
郁也
もか
郁也
ぽんぽんと頭を撫でてくる。
気恥ずかしくなって俯く私の頭上で、小さく笑う気配がした。
もか
郁也
郁兄はそれ以上、何も言わなかった。
そのままリビングを出てしまい、ガチャンと玄関の閉まる音が響く。
再び静寂が戻った室内で、私はひとり、立ち尽くしていた。
撫でられた頭に、自分の手をそっと重ねてみる。
もか
女なんだから、って何だ。
今まで女扱いなんて、一度もしてこなかったくせに。
リリア💙🤍
94
食パン
48
8
#復讐
すっこ
2,432