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青
青は桃に服を着せたあと台所へと 移動していた 濡れタオルを洗い直しながら 小さな置時計を目に写す
青
焦り出す彼はバタバタとあちらこちらに走り もう不必要な物をあるべき場所へと 戻していく
青
青
青まま
彼の事を考えていれば、ドアの開く音と共に 元気な聞き覚えのある声がした
青
青まま
青
母の一声に青は一瞬、間を空けたあと 大きな声で叫ぶと一目散に玄関へと走る
青まま
青
玄関へ行くと普段自分の家にある筈の無い 見慣れない靴
青は急いでその1足を手に持つと 自分の靴を端へと追いやる
青まま
青
急いで自分の背中へ靴を隠せば猛ダッシュで部屋への道を急いだ
青まま
青
部屋へ戻ると靴を机の脇に置き ひと息ついた
いや、まぁ、別に 隠す必要も無かったんかもだけどさ… さすがに、、 デコに熱さまシート貼って横になってる人 がいたら母ちゃんびびるやん…
青
桃
青
桃
青まま
青
青まま
青
青の大きな声に1階から心配の声があがる 不思議そうに目をぱちぱちする 桃色の彼を横目に 青は安全な事を同じく大きな声で伝えた
青
桃
青
桃
青
青は先程の事もあり 顔が熱くなるのを感じた 未だ状況が分からない と言うようにボーッとする彼の顔を 見ないように床へ視線を落とした
桃
青
桃
桃は俯き立ち尽くす彼を上目遣いに ちらっと見る
青はその視線を感じながらも 中々顔を見る事が出来ない 落ち着か無い足と共に左右に揺れながら視線をあっちこっちへと動かす
桃
青
桃
青
桃のその言葉に 青は目を見開き彼の顔をみる
桃はヘラりと笑うと、ごめんごめん、と 後ろ髪をクシャとかいた
青
桃
青
桃
青
桃
青
桃
青
桃
青はへへっ笑うと部屋から出ていく その顔は俯いたままで、彼がどんな顔をしていたのか、桃は気付けなかった
桃
青まま
青
青まま
青
青まま
青
青まま
青
返事をして居間へ歩いていく姿に 母である彼女は、はぁ、と息を吐いた
青まま
少し呆れたように、されど心配げに クスッと笑う母 青はそれほど自分を心配してくれてる人が そばに居る事に、きっと気付いていないだろう
青
桃くん、忘れてた… いや、そもそも覚えてなかったのか… 理解してたのに、きっと忘れてるって、 でも、やっぱ、
青
青は3人用のソファへ腰を掛ければ はぁ、と上を仰ぎみる
チカチカと明るい電気の光を遮るよう 手を目元へかざす その隙間から除く目には 沢山の涙が浮かんでいる
青まま
青
突然の声に青は慌てた様子で 目元を拭った
青まま
青
青まま
青
青まま
青
青まま
青
青まま
青
青まま
青
青まま
青
少しばかり強引な母の言葉に 青は押されるままに、うんと頷いてしまった 母は何時もより張り切って居るようでその後ろ姿はルンルンだ
青
母とは違い重い腰を上げる青は 小さく息を吐くと桃の待つ自分の部屋へと足を進めた
青
あぁ、これが、現実だったなら どんなに良かったんだろ… 俺幸せすぎて死にそうなんだけど…、
桃は彼の甘い言葉にふわふわした 気持ちのまま、もう一度意識を手放した 桃自身、これが現実だと言うことを知らない
後に知ることになる、その時桃は平気で 居られるだろうか?
きっと、理性を手放すかもしれない… その結末はきっとあと少しで…
桃
バタバタ、という音に意識が徐々に 浮上してくる ガチャ、と誰かが扉を開けた音に パチッと目を開けた
青
桃
青
桃本人、驚かせるつもりは無かったが 悲鳴に近い叫びを上げた青に 少々申し訳無く感じる
それと共に、肩をビクッと跳ねさせ目を見開きバッと振り返る姿に やはり可愛いと感じてしまうのはもう仕方ないのかもしれない
桃
青まま
そんな事を考えていれば、明るい綺麗な女性の声が聞こえる
青
一瞬ガールフレンドかとも思ったが 会話からして、きっと青の母だろう 桃は、自分は邪魔じゃないか、とまだ冴え切っていない頭で考えていた
青はもう一度こちらを見ると何時起きたかと、焦ったように聞いてきた 桃は少し考えた後、そう言えばドアの音がしたな、と思い出す
桃
青
桃
いや、とどもりながら下をずっと見ている彼 桃は考えた後ある所に思い至った
もし、もしだけど、 さっき、俺が青にした事…、 それが、現実で起きた事だったとしたら…? ガチだったら俺…、どうしよ… でも…聞いてみないと、わかんないよな、
桃
青
桃
声だけで返事はしてくれているが 一度たりともこちらを見る素振りの無い青 そんな彼を、やはりやってしまったのでは 無いか、という焦りと申し訳無さに 目だけで見る桃は言葉を詰まらせてしまった
桃
青
桃
青
結局聞けずに何でも無い、と言ってしまった彼をバッと見る青 その表情は驚きにも取れるが、傷付いたようにも見えた
そんな彼をまた、焦りを隠すかのようにヘラっと笑って見る桃 じっとして居られず、後ろ髪をクシャとかく彼の手は、微かに震えていた
青
桃
青
足元を見ながら大きな声を出した彼は グッと拳を握っていた それに気付きながらも、彼の休むこと無く動く口から次々と出てくる言葉に圧倒され 足を動かす事が出来無い
桃
青
桃
青
言いながら青はこちらの話を聞く前に後ろを向くと部屋のドアを開けて出ていってしまう
追い掛けようと伸ばした手は彼を捕まえる事が出来ず、寂しげに宙を浮いたままだ
去り際微かにズズッと音を立てていった彼 それに桃は泣かせたのかもしれない、と、前に出していた手をグッと握り締めた後
力を失った様にベッドへぽすん、と落ちていった
ごめん、青…、 俺、お前の事傷つけた…? さっきの出来事は、本当にあった事だったのか…? 俺はどう言えばよかった…、やっぱ聞くべきだったか…、 最後まで青に顔見れなかった…、 俺、どうしよ…、
桃
そう呟く彼は、目元を手で覆うと共に、 青の香りがするベッドへと背中を預けた
桃
ふわふわの掛け布団を空いている手で ギュッと掴むと 体を横にし、自分の鼻へと持っていく
そこから香る甘い匂いは
彼の震える胸を、踊らせると共に、 ギュッと締め付けた