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⚠︎わんく⚠︎
ゐ白
ゐ白
ゐ白
ゐ白
ゐ白
赤葦
赤葦
木葉
赤葦
木葉
答えるのが億劫でとぼけてみたら、 さっきまで可愛く震えていた足先が鳩尾めがけて飛んできた。
大学でもバレーを続けているだけあって、わりとしっかり痛い。 筋肉の重みがずしりとのしかかる。
木葉
木葉
木葉
両手をひらひらと、見せつけるように宙にかかげて、手伝いませんよと意思表示をする。
赤葦
赤葦
けれどもやっぱり、目の前で自身を悦ばそうと必死に奮闘する後輩が可愛く見えてきて、 鼻先にちゅっと口付けを落とした。
木葉
赤葦
返事の代わりに、瞳を潤ませた赤葦がもどかしそうに唇を合わせたから、こじ開けて舌を絡ませる。 満足げな吐息がこぼれて、固い瞳の奥がとろりと蕩けた。
背中に腕が回され、赤子が母親にしがみつくように引き寄せられる。 されるがまま、空いた方の腕で頬を撫でてやると、上気した頬を涙が一粒伝って落ちた。
今にも眼の中にハートマークが浮かび上がりそうな顔。思わずごくり、と喉が鳴る。
赤葦
切ない声音で名前を囁かれるたび、背骨のあたりがむずむずする。
ああ、なんたる甘美。少々時間が経ちすぎてしまったな、と思う。 時を巻き戻して過去の俺をぶん殴りでもしなきゃ、この甘さを手放すことなんて出来るはずもない。
木葉
気分が悪いみたいだった。
八つ当たりのような気まぐれさで、ささやかに主張する褐色の乳首に舌を這わせる。 びくっと赤葦の腰が揺れ、一際高い声が上がった。
赤葦
木葉
木葉
調子に乗って、爪で軽く弾いたり甘噛みしたりと遊んでいるうち、がくがくと膝が震え出す。
赤葦
木葉
赤葦
ぶんぶんと枕の上で頭を振るもんだから、ばさばさと髪が乱れて邪魔そうだ。
あーあー、と小さく声を漏らして、目にかかった髪の毛を耳にかけてやる。 一瞬哀しそうに眉を歪めたかと思うと、キッと鋭く睨まれた。
赤葦
木葉
赤葦
今にも俺を殺してしまいそうな目をしたので、溜め息を吐いて頬を両手で包み込む。 上から覗き込むように覆い被さると、麗しき恋人の顔がよく見えた。
木葉
木葉
木葉
木葉
木葉
赤葦
初めこそぽかんと目を丸くしていたものの、徐々に真っ赤に染まっていく顔を見て、 渇ききっていた心臓が少しだけ満たされる。
木葉
赤葦
視線が彷徨って逸れるので、鼻先を擦り合わせてねだると、 両腕を上げて泣きそうな顔を隠してしまった。
木葉
赤葦
赤葦
赤葦
赤葦
ラジオに雑音が混じるように、ガクンと声の均衡が崩れて、健気な涙声が鼓膜を震わす。
ちょっといじめすぎたみたい。
赤葦
木葉
赤葦
赤葦
木葉
いよいよ本格的に啜り泣き始めた後輩を前にこの反応は如何なものか。頭ではわかっていても、 コイツの脳内から飛び出たとは思えないほど弱々しい本音に、今度は俺がぽかんと口を半開きにする番だった。
どれくらい思考が乖離していたのか。鼻水をずずっと啜る音に我に返り、慌てて指の背で熱い涙の粒を拭う。 ついでに瞼にキスを落として、涙が伝った跡の残る頬をぺろりと舌で湿らした。
薬のせいで感度が上がっているから、それだけの感触で生白い肌が震えるのが、やけに扇情的で困った。
木葉
木葉
赤葦
赤葦
赤葦
赤葦
そっぽを向き不満気に唇をとがらして、赤葦はぼやく。
木葉
木葉
木葉
俺はというと、身体の中に詰まっていたものが全部滑り落ちてしまったような心地がしていた。
知らず知らずのうちに強張っていた筋肉から一気に力が抜け、どさりと赤葦の上に倒れ込む。
赤葦
木葉
木葉
赤葦
木葉
頭の上で、赤葦が絶句しているのが見ずともわかる。 でも、結局コイツは身内に甘いのだ。
赤葦
呆れたような――それとも疲労によるものかもしれない。 仕方がないなというふうに息を吐き出して、赤葦は緩慢な動きで俺の背中に手を回した。
木葉
赤葦
木葉
木葉
木葉
木葉
木葉
赤葦
赤葦
木葉
ーーでも、身体は正直だから。
赤葦はもう女の子を抱けないって、俺じゃなきゃイけない身体になっちゃったって、 満足してはその場限りの安堵を食いつぶす。悪い癖だと、わかっていてもやめられなかった。
木葉
赤葦
あまりに醜い心の内を晒す訳にはいかず、 あくまできっかけに過ぎなかったことを言い訳にしてみる。
近頃はメディアを介してでしか目にしていなかった木兎が、 おとついの真夜中あたりに急に電話なんか掛けてくるから、何事かと思ったけど。
赤葦
赤葦
木葉
赤葦
一度言葉を切って、赤葦は片肘をついてちょっとだけ上半身を起こした。 つられてうつ伏していた顔を上げると、さっきのお返しとばかりに瞼にやさしいキスが振る。
だらりと垂れ下がっていた腕をとられ、手をそっと握りこまれて、無垢な少女のように心臓が跳ねた。
赤葦
赤葦
木葉
赤葦
赤葦
赤葦
まっくろな瞳の奥で、猛禽類特有の鋭さがきらりと光った。
木葉
そう本能が錯覚して、ぞわりと肌が粟立つ。
木葉
捕食者のそれを持つくせに、こちらが戸惑うほどの一途な献身は、きっと他人をだめにする。
それを惜しみなく発揮してしまう赤葦は、やっぱり人誑しだとおもう。
木葉
赤葦
赤葦
木葉
赤葦
俺の手のひらに唇を押し付け、指の間に舌を這わせて、 赤葦は懇願するように、幸せそうに目を細めている。
木葉
ぱち。
頭のどこかで、花火に似た、スイッチが切り替わる音がした。