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青い尻尾の幸せ物語

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青い尻尾の幸せ物語

2 - nkkn-ねぇ、――

♥

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2023年07月29日

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┈┈┈┈┈注意┈┈┈┈┈ nkkn 故人 死の表現

これは、君が教えてくれた物語。

君と、約束した物語。

きっとまた、いつまでも――

青雲 刻

ねぇ、なかむ

中村 白

うん、なぁに?

青雲 刻

明日も、明後日も、また此処で一緒に居られるかな。

中村 白

……

中村 白

ふふ、あははっ

青雲 刻

何が可笑しいんだよ〜…

中村 白

急にそんな事言うから、可愛くって。ふふふ

青雲 刻

もー……

青雲 刻

……で、どうかな。この先もずっと居られる?

中村 白

なんだかプロポーズみたいだね、当たり前じゃん。

青雲 刻

ちょ、ちょっと……!恥ずかしいこと言わないでよ…

青雲 刻

でも、そうだね、確かに。プロポーズかも

中村 白

ふふ、明日も明後日もこの先も、健やかなる時も……

青雲 刻

もう、良いって!!

中村 白

……共に生きる事を誓いますか?

青雲 刻

……

中村 白

誓いますか〜?

青雲 刻

からかわないで!!

青雲 刻

……誓います。

中村 白

んへへへ。大好き!

星空の下、2人だけの空間。

彼らが生きる、この地の上で。

自由に生きて、自由に過ごした。

そんな愛ある物語。

青雲 刻

……

青雲 刻

誓った、のにな…

青雲 刻

一緒に生きるって、…誓ったのに。

青雲 刻

置いて行くだなんて、あまりにも……

青雲 刻

…っ、う、あぁぁ……

誓いを交わしたあの日から約半年の日、突然彼からの連絡が途絶えた。

いくら待ってもあの場所に彼が来ることはなかったし、星空を一緒に見れる事は無かった。

……交通事故らしい。

彼の家の近くで、車が衝突して…

青雲 刻

……うっ、

考えるだけで吐き気、頭痛が酷い。 お腹の中がぐるぐるして、もやもやして。気持ち悪い。

青雲 刻

なんで僕を置いてくんだよ

青雲 刻

ねぇ、ねぇっ……!

青雲 刻

なんで、なの、……あんまりだよぉ、

なんで声が届かないんだろう

なんで声を掛けてくれないんだろう

なんで隣に居てくれないんだろう、

会いたい、会いたいよ

青雲 刻

声が聞きたいよ……!!

どうしようもない思いを拳に込めて机を殴る。殴ったってどうにもならない、ただの八つ当たり。

でも今は、そうする事でしか気持ちの整理が付かない。

コンコンコン

……また、か。

青雲 刻

なに……

鮫田 颯空

……

青雲 刻

……なに、シャークん。

鮫田 颯空

いや、その……音がしたから。

青雲 刻

僕は大丈夫だよ、だから気にしないで

鮫田 颯空

でも、

青雲 刻

……大丈夫だから!

鮫田 颯空

っ……でも、俺らだって心配してんだよ。

鮫田 颯空

……後だけは、追わないでな。

青雲 刻

……

青雲 刻

はは。どうだろ……

本当は今にでも彼の後を追いたい。

いや、何度も試した。

でも外に出れば星が綺麗で、月がきれいで。

逝こうにも逝けなかった。崖へ行けど海へ行けど星空に照らされて。交通事故は人の迷惑になる、だからダメだと。

いつしかその事が親友達に知られ、家を出ることを禁じられた。

包丁を持つことも、コンセントや充電器ですら奪われた。不自由だ。

……でも、抗えなかった。それが僕の元にあれば確実に会いに行くことに使うだろうから。

鮫田 颯空

……ご飯、出来てる。皆待ってるから、食べれそうなら降りてきて。

鮫田 颯空

じゃ、俺はこれで。

青雲 刻

……、

青雲 刻

ありがと、シャークん、

鮫田 颯空

……!

青雲 刻

……皆にも、伝えて?ありがとうって。

鮫田 颯空

ああ、うん。…いや、

鮫田 颯空

手伝うから、一緒に伝えに行かね…?

青雲 刻

…皆に、?

……部屋に来ても全員追い出して、ご飯の時間だってズラして皆が寝てる時間に行ったりして

鮫田 颯空

うん。みんなきんときに会いたがってるよ

そんなに拒んだのに、まだ心配してくれてるの、?

青雲 刻

合わせる顔がないよ、今まで拒絶してきた。

鮫田 颯空

ならありがとうは伝えない。

……そうだよね、自分で伝えないと意味が無いよ。

鮫田 颯空

……きんときのタイミングでいいから。

青雲 刻

……

こんな時、なかむなら背中を押してくれるんだろうなぁ。

ふと、カーテンの隙間から光が差し込む。窓なんて開けてないのに、何処から風が入り込んだのだろうか。

引かれるがままにカーテンのところへ行き、外を見る。ああ、そうか、そうだよね。

なかむはいつも、そうやって。 僕の背中を押してくれる。

いつもいつもそう。こんな綺麗な星空、初めて見たよ。一緒に見たかったな、なんて。

鮫田 颯空

じゃ、飯。待ってるから……

青雲 刻

……、まって、!

鮫田 颯空

ん?

青雲 刻

星が、綺麗で

鮫田 颯空

星……?

青雲 刻

なかむが。僕の事を見ているような気がして。

青雲 刻

見守ってくれてるような、気がして、

青雲 刻

……伝える、

鮫田 颯空

!!!

青雲 刻

がんばる。なかむが応援してくれてる気がする、

鮫田 颯空

うん

鮫田 颯空

偉いなきんとき。

青雲 刻

……うん。シャークん、今までごめんね

鮫田 颯空

気にしてねぇ〜。またいつも通りゲームしような

青雲 刻

もー、この部屋でずっと暇だったんだから。

鮫田 颯空

それはお前がなんでもかんでも……

青雲 刻

……あはは、ごめんって!

鮫田 颯空

でも、もう大丈夫なんだろ?

大丈夫、なのかな

……ううん、大丈夫だよね。 だってなかむはずっと見守ってくれるもん。

青雲 刻

うん、大丈夫。

青雲 刻

全然よゆーだわ!

鮫田 颯空

ははっ、どーだか。

鮫田 颯空

……幸せには出来ねーけど、皆で精一杯支えるから。

青雲 刻

……うん、

鮫田 颯空

きんときが笑ってられるように俺ら頑張るから、

青雲 刻

うん……っ、

鮫田 颯空

みんなで、乗り越えてこうな……?

青雲 刻

う、ぁ……うん、っうん!ぐず、うぁぁ、

鮫田 颯空

泣き止んだら、行こうな。

涙が止まらない。でもこれは悲しいからじゃない、安心の涙。

なかむが居ないだけで僕の人生は真っ暗だけど、星は照らしてくれたよ。

皆がいてくれて、良かった。

ドタドタドタ

勢いよく階段を登る音が聞こえる。ひとつじゃない、いくつもの。

桐崎 優斗

きんとき!?!!

立本 璃玖

きんさぁ〜ん!!!!!

須浦 真瑠

お、おいきんとき、大丈夫か?

青雲 刻

……ぁ、みんな、

鮫田 颯空

おーおー押しかけんなよ。ドアは開けんな

立本 璃玖

きんさんの泣き声聞こえてきてびっくりしちゃったんだけど、シャークん泣かせた!?

桐崎 優斗

きんとき怖かったなぁ……

鮫田 颯空

泣かせてねーわ!

青雲 刻

…っ、ん、ふふ……

須浦 真瑠

きんとき、ドア開けて大丈夫か?

青雲 刻

……うん、大丈夫だよ。

青雲 刻

今開けるね!

桐崎 優斗

あれ、元気??

立本 璃玖

きんさんもしかして……!!

青雲 刻

みんな、いつもありがとう!

顔をまた見れた事への嬉しさで思わずみんなに飛びつく

鮫田 颯空

どわぁ

立本 璃玖

きんさぁ〜ん!!泣

桐崎 優斗

皆で乗り切って行こうなぁ…!

須浦 真瑠

飯、食おうぜ

桐崎 優斗

今それ???

青雲 刻

あははっ、うん、食べに行こ!

中村 白

あ〜〜〜……

中村 白

俺もあそこに混ざりてぇ〜……

中村 白

…まあ、乗り越えれたなら良かった

中村 白

俺はずっときんときのことが好きだけど、きんときは幸せになってね。

中村 白

いつまでも君を照らすからさ、ずっとずっと君を見守るからさ。

中村 白

だからね、きんとき。

中村 白

うーんと長生きして、俺の分も幸せになってね。

中村 白

……

中村 白

ねぇ、――

「「愛してるよ、」」

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