チャアリー
鈴鹿優希君、貴方は詐欺をしていて楽しいですか?

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
何?楽しいかと言われたらそんなにだけど…お金を貰えるのは凄く良いよね。この世はお金が全てなんだから。

中野上 あずは(なかのうえ あずは)
因みに…お金の使い道ってどうしてるの?

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
んーと欲しい物買ったりだけど、誰かにお金を渡して命令するのが最近はハマってるんだよね。例えば、部活の後輩にお金渡して万引きして来いって命令するんだ。そしたら、喜んでやってくれるんだよね。それを遠くから僕は見るだけ…これが凄く楽しいんだ。

福原 恵瑠(ふくはら める)
1番やばいのはこいつだった……。

西園 さく(にしぞの さく)
話を聞けば聞くだけ今までの性格が嘘みたいだ…。

チャアリー
貴方は人を騙して、その次にはまた相手を犯罪者にするんですね。貴方のその1つ1つの行動で自分の首を絞めてるんですよ?バレてしまえばお終い、一瞬の快感が一生の後悔に変わるんですよ?

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
でもさぁ、僕以外にもバレてないだけで詐欺師なんて沢山いるんだよ?チャアリー先生はさ「バレなきゃ犯罪じゃない」って言葉知ってる?事件も事故も発覚したら事件や事故として扱われる。発覚するまでは誰にも気づかれず暗闇の中のままなんだよ?

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
僕の詐欺はまだ警察にはバレてない、だから大丈夫なの。

そんな鈴鹿の態度に、チャアリー先生はいつもとは違う低い声色で話した。
チャアリー
いえ。犯罪はしてしまったときから犯罪なんです。そして犯罪は悪でその悪を裁かなければなりません。たとえ貴方が未成年だったとしても。犯罪者はみな「バレなきゃ犯罪じゃない」と言う。けれど、それは警察を舐め過ぎています。

田窪 亮平(たくぼ りょうへい)
でも犯罪ってやっぱ良くないよな。警察にバレなきゃ良いと思ってもいつかはバレるし、バレるまでビクビクして過ごさなきゃいないしなぁ。バレるまでの逃走劇も繰り広げなきゃいけないしなんかめんどくせぇな。

チャアリー
そうです。だからしてもいつかは後悔して罪を償なわなければなりません。犯罪をしてもいいことなんて何一つないんです。それはしたときでもした後でもそうです。永遠に犯罪者の肩書きが残ります。

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
詐欺は騙される方が悪いし、何で僕達詐欺師が100悪いみたいなってるわけ?「犯罪を止めて」と言っても犯罪者が聞くわけがない。だから、お前達が気をつければいいだけじゃないの?

チャアリー
何で私達が気をつければいけないんですか?犯罪者が悪いだけなんですよ?犯罪をしなければいいだけの話なんです。何故そんな考えになるのかが意味が分かりません。

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
………。

萬江 小百合(よろずえ さゆり)
私…アンタみたいな人が消えれば良いと思う。何でこの世は悪人が沢山いるの?何で優しい人が居なくなるの?………どうして私はあんなことを……。

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
急に何?そういえばさ、萬江さんって何でずっと黙ってたわけ?……あ、そっか分かった。落ち込んでたんだね。自分の誹謗中傷であの人が消えたもんね〜。今更何?罪の意識感じたわけ?

萬江は唇をギュッと噛み締めていた。…きっと萬江は今まで自分のしたことについて落ち込んでいたんだろう。俺は椅子から立ち上がり鈴鹿を見る。
西園 さく(にしぞの さく)
鈴鹿…お前本当にダサいよな。萬江は確かに悪いことをした。そして結果1人の人間を殺してしまった。けれど、今までの時間元気無さそうで落ち込んでたんだ。後悔と反省の気持ちでいっぱいいっぱいだったんだ。そんな萬江にお前はそんな言葉を言う権利は無い。お前より萬江の方がよっぽどいいよ。

西園 さく(にしぞの さく)
人は誰でも悪いことをして成長して、人の痛みや苦しみや悲しみをようやく知るけれど、犯罪をしてしまう人は人の痛みや苦しみや悲しみを分かってない。……俺とここにいるみんなとお前で少しずつ、理解して、知って、感じて、新しい自分に変わらないか?俺達はその為にこの学園へ来たんだろ?

鈴鹿 優希(すずじか ゆうき)
……はぁ。そうだね、、頑張るよ。

チャアリー
(私が授業をしなくても大丈夫なくらい素敵な心になりましたね、、シクシク)

そしてチャイムが鳴った瞬間、今までの緊張感が無くなった気がした。
チャアリー
これで5時間目の鈴鹿優希君主役の「詐欺」の授業を終わります。次は、6時間目の授業、福原恵瑠さん主役の「差別」についてです。

福原 恵瑠(ふくはら める)
…はぁ。

チャアリー先生がまた黒板を消し忘れたことに俺は気づき、またかよと思いながら黒板を1人で消していたら俺の視界にもう1人の腕が見えた。隣を見ると、萬江が一緒に黒板を消すのを手伝ってくれていた。
萬江 小百合(よろずえ さゆり)
…さっきはありがとう。私も気持ちを整理できたから最後の授業までちゃんと頑張る。勿論、ここを出てからもね。

西園 さく(にしぞの さく)
そうだな……。
