テラーノベル
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信じない
アイツらの言うことなんて信じない
絶対信じない
オレが、死にかけてるって
オレは、まだ
まだ、いける
あの憎たらしい顔が、今もなお浮かぶ
オレは
オレは
トルコ
また、悪夢だ
水蒸気のせいか、意識を無くし倒れてしまったせいか
頭が割れるような目眩がする
そして、少し息苦しい
トルコ
あの日。オレが『死んだ』日
今まで奴隷だったものに裏切られた日
あの日はオレを苦しめる
トルコ
もう、あれからどれ程月日が経ったのか
のうのうとアイツらは暮らしてる
あの日
あの日さえ、負けなければ
まだ、オレはオレのままで、いられたのだろうか
トルコ
湯気はオレを嘲笑うかのように立つ
そんな湯気を無視し、オレは湯槽から上がった
あの日から、オレは変わった
トルコ
もう、強いオレはいない
元気なオレはいない
綺麗な時期のオレはいない
あの子に恋に落ちたオレはいない
トルコ
ふと、スマホが鳴る
──ドイツからだ
トルコ
トルコ
オレは着信を拒否する
そうだ。こいつのせいだ
こいつが色々やらかしたから
こいつが負けなければ、オレは
オレは
…
もしかすると
もしかすると、オレがいたせいでドイツが負けたのかもしれない
そうだ。ドイツ自体は強いのだ
それなのに、ドイツをあんな借金地獄に陥らせたのは
オレだ
オレがもっと強ければ
もっと人に優しく、丁寧に扱っていれば
オレは毎日そうだ
何かを行ってから何かを反省する
やってからでは遅いと分かっていても、やってからでないと分からない
いつからだろう。こんなオレが嫌いになったのは
トルコ
今の時刻は午前八時
朝だからか、なにもする気力がない
否、あれからずっと気力がない
トルコ
オレはピアスを外す
竹で作られたピアスはカランと鈴らしくない高い音を立てて落ちた
そして、オレは布団に飛び込む
布団越しから見えるのは
太陽のような赤い色だけだった
コメント
2件
とる、トルコぉ(´TωT`) トルコ供給少ないので、助かります(?)初コメ失礼しました!