堕ちた平和の国に囚われる

……外が見たい。

今、街はどうなっているのか

思い出す事も有るかもしれないし、

だから取り敢えずこの重い足枷をなんとかしないといけない。

部屋中が冷気に覆われ部屋の温度が０°を下回る

意識を足枷に集中する

冷気を足枷に集める様に

足枷の内側からゆっくり、ゆっくりと凍らせる

ピキッ、と言う足枷の凍る音が聞こえる

……いや、凍っているのでは無い。

氷になっている。

透明な足枷の形をした氷に。

その氷に水を掛ける。

バキッと氷が割れ、溶けて無くなる。

自由になった。

自分の体を束縛する物が無くなり探索する事にする

鉄格子で覆われている窓を覗く

城の最上階なのだろうか

とても高く、落ちたら肉体が潰れ、原型が残らない事を把握する

窓がダメとなると、錠前が大量に付いているあの扉しかない。

氷の鍵を創り

鍵穴に挿しこむ

ガチャッと扉が開く

中には 大量の薬やポーションが置いてある 研究室の様な部屋だ

机の上には空色のポーションと紙がある

忘却薬説明書 ・飲ませた相手の記憶を消し去る ・記憶に繋がるトリガーを見つけられてしまうと 一部の記憶を思い出してしまう可能性がある ・ごく稀に自分の事や相手の事を覚えている場合がある ・自分のトラウマ等を思い出しやすい

【誰かの手記】

完成した 記憶を無くす薬 悪用する訳じゃない 愛する人に使うだけだ 澄玲はおれ達を恨んでる憎んでる しょうがない。だって、元は澄玲は人だった おれの先祖が澄玲を人外にした 話によるとおれの先祖と澄玲は仲が良かったらしい なのに裏切られた。 裏切られて人外にされて 澄玲は愛を忘れた だから だからおれ達が澄玲に愛をあげなきゃ 今の澄玲じゃおれ達に依存してくれる可能性は０に近い だからこの忘却薬をつくった 辛い記憶なんて忘れて おれ達に堕ちてきてもらう為に 澄玲に飲ませた 人が変わったみたい あんな強強でツンツンしてたのに 今じゃおれ達に怯えてる まぁ可愛いけど でも運営国の事とおれ達の事を 覚えてるのは正直驚いた 忘れてなかった 澄玲に言い聞かせよう おれ達は仲間なんだ。って 澄玲にはおれ達以外何も要らない 大事に大切に扱わなきゃ 依存してもらわないと。