零桜

〜ホームルーム終わり〜

なんだか知らんがこさめが話しかけて来た。

多分家に入った文句かなんかだろうと 捻くれた考えを捨てられずそう口にする。

あぁ、そういえばこんな子だったな。こさめは。 可愛らしい屈託のない笑みを溢す子だった。

と思ったと同時に、こさめの顔が曇る。

急いでまくしたてるこさめに違和感を覚えつつも これ以上踏み込んでは行けない気がして

俺は黙って自分の席へ戻るこさめを見つめていた。

そんな夢の日から3日経ち、 毎日似たような夢を見る様になった。

最近はあまりこさめと話していない。

そもそも、住む世界が違いすぎた。

挨拶すらするかしないかぐらいの天と地の差。 毎日話しかけてはくれるけど、 流石にこちらが申し訳無くなる感じだ。

夢以外は、何も変わった所はない。

陽キャのこさめと、陰キャの俺。 本当は交わるはずがなかったんだ。

なのに。

むしゃくしゃしてきて、クラスから逃げた。

予冷が響く音がする。

相変わらず失礼な奴だな……

会話続かねぇ〜〜………

いかん…反射的に……

いや、サボりに来たのは合ってるけど……

全てが鼻につく言い方である。 なんとかならんのか、それ。

そして俺はこの男にとある男と友人Aの話をした。 夢の事は怖かったので伏せておいた。

この男。今何に良いと言ったんだ？ 思考回路が理解できないのは俺だけ？？

そしてこいつはなんだかよくわからん。

……こいつら、頭良いらしい。

サボってる癖に頭良くてって人生勝ち組じゃん。 神様って不平等ー…もう色々どうでも良くなってきた。

なんか色々吹っ切れてしまった。 今回はこいつ等に感謝である。

いるまの言葉を遮り別れの言葉を口にする。 何かに勘づいたようだったけれど、させない。

夢のせいでちょっとおかしくなってしまっただけだ。 昔を思い出すなんて、ツいてない。

何に気付いたのかは知らないけど、 他人のままでいてね。

こさめとも、いるまとも、 一線は引かなければ。

自分が地獄に堕ちるって事なんて 容易に予想出来るんだから。

なにに期待していた？

「他人ポジ」それでいいだろ。