ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
ハラム
私ね、もうすぐお姉ちゃんになるの。 私ね、妹と一緒にたくさん遊ぶの。 私ね、パパとお名前を考えてるの。 私ね、 お名前をパパと話し合って決めたの。 しのぶ 胡蝶しのぶ。 やっとしのぶに会える。 嬉しいな。 これからしのぶと毎日遊ぶの。 私ね、もしもう一人妹がやって来たらこんな名前をつけるの。 カナヲ 胡蝶カナヲ パパが何でって聞いてきたから教えたの。 私の名前のエがヲになってるじゃん。 だから笑顔(えがを)になってほしいから! そう言ったら、パパは笑って頭をよしよししてくれた! オギャア!オギャア! 泣き声が聞こえてきた。 そして、すぐにお医者さんが来て、妹を見せてくれた。 わぁなんて綺麗なんだろう。 まるで、宝石みたいに輝いてる。 こんにちはしのぶ。 お姉ちゃんだよ。 これからよろしくね! 私はしのぶが笑ったように見えた気がした。 時がたち、しのぶの3歳の誕生日 しのぶに贈り物で、蝶々の髪飾りをあげたの。 しのぶの頭には紫の蝶々の髪飾りは、大きすぎたのかな? しのぶが大きくなったらつけてほしいな。 私も髪飾りを買ったの。 しかもしのぶに秘密で二個も。 けれどしのぶはその紫の蝶々の髪飾りだけでよかったみたい。 しのぶが6歳で、私が9歳の頃お母さんから言われたの。 赤ちゃんがお腹にいるって。 しのぶと私は跳び跳ねた。 妹かな?弟かな?妹がいいな。 しのぶは 「ママは男の子、女の子どっちだと思う?」 と聞いたの。 お母さんは「女の子じゃない?」って言ったからもう名前は決まった。 男の子だったら、またその時決めればいいしね。 よろしくカナヲ! あなたに会えるのを楽しみにしてるね! その一ヶ月後家に誰かが来たの。 そして、私達が遊んでいる部屋の襖を開けて、入ってきた。 お父さんがその人の所へ行ったら、その人は腕をブンと勢いよく振ったの。 すると、お父さんから赤い何かが吹き出た。 その赤い何かはフジュブシュといやな音と共に、畳や壁にふりかかったの。 そして、今度は目の前で、お母さんが赤い何かを出したの。 赤い何かはお母さんの胸やお腹から出ていたの。 それが血と分かったのはお母さんが殺された後だ。 私は目の前にいたお母さんのすぐ近くに立っていた人を見上げた。 その姿は、肌は白く、角がはえていて、目は鋭く、口には牙があり、手の爪は血まみれだった。 お父さんがよくお話してた鬼だ。 鬼は私達の目の前で、お父さんとお母さんを食べたの。 ブチブチ、ボリボリ。 肉を食いちぎり、骨を噛み砕く音。 私は呆然としながら、泣いてるしのぶを抱えて、しのぶの耳を自分の両手で塞いでいた。 この音を聞いたらこの子は壊れると思ったからだ。 そして、私はその光景をじーっと見ていた。 それはまるで、お父さんとお母さんとしのぶで遠出した時に見たあのお猿さんの踊りを夢中で見たあの時のような感覚だった。 初めて見るものに私は興奮が止まらなかったんだろう。 何で、お父さんとお母さんを食べてる所を呆然と見ているんだろう。 興奮? そんなわけないよ。 私はただ鬼が二人を食べ終わったら、私達はどうなるのか考えていた。 しのぶだけでも逃げてほしかった。 次の瞬間に、私達のいる部屋にある男の人が入ってきた。 その人はおっきい斧を持っていた。 その人は「南無阿弥陀仏」と言って、鬼の首を潰したの。 私はこの人が味方か敵か、分からなくて、怖かった。 そして、数分がたった後に、黒い服を着た人たちがぞろぞろと入ってきた。 お父さんとお母さんを持っていった。 そして、カナヲも。 その光景を見て、私は誓った。 しのぶはまだ子供だ。 私が大人にならないとしのぶを守れない。 この二人で、これから生きていくんだ。 私が今日からしのぶのお母さんだ。 なんとかして、しのぶを守りきらないと、私がひとりぼっちになっちゃう。 それは嫌だよ。 私はそれから大人びた口調と姿勢を意識した。 そして、しのぶは私と一緒に約束をしたの。 「鬼を倒そう。一体でも多く倒そう。二人で。私達と同じ思いを、もう他の人にはさせない。」 あぁしのぶはもう大人だなぁ。 私なんかよりずーっと。 ありがとうしのぶ。 あなたと一緒にいて、よかった。 あの血まみれの部屋で、私達は誓った。 もう他の人に同じ思いをさせない。 させてたまるか。 鬼を一体でも多く倒す。 それが私の、いや私達が産まれてきた意味だから。 私はあの小さな部屋で子供の私を捨ててきた。 もう、私は鬼にたいして、良心を捨てた。 いや、捨てたはずだった。 私があの話を聞くまでは。 花びらが伝えたいもの 前編 完
コメント
3件
よかったぁぁぁぁぁぁ‼︎