国見side
部活の練習中、ヘマをして突き指をしてしまった
監督とコーチから許可を貰い、マネージャーの先輩にテーピングをお願いした
痛いし帰りたいな。あ、先輩テーピング上手い。そんなことを考えながら俺は先輩の手つきをぼんやりと眺めていた
成瀬
国見
成瀬
俺は最近まで先輩と同じ中学で同じ部活だったことを忘れていた
自分でもまぁ薄情だとは思うけど、でも仕方ないと思う
中学の時は言われてみたら確かにいたなくらいにしか思わないほどだったし
この先輩に関わった記憶なんて正直ほとんどない
国見
テーピングをしてもらい「ありがとうございました」と呟いてコートに向かおうとすると__
成瀬
その言葉とともに軽く背中を叩かれた
俺思わず振り返った。先輩はすぐに作業に取り掛かろうと背を向けていたけれど,俺は気がつくとその背中に言葉を投げかけていた
国見
成瀬
国見
普通〝頑張れ〟だろ
自分のプレースタイルに不満がある訳じゃないけど、俺みたいな奴には尚更 〝頑張れ〟じゃないのか
"…もっと頑張れよ" "もっと我武者羅にやれよ"
うるせぇ、って内心舌打ち打ってたけど,俺は今まで散々そう言われてきた。
目の前の人がよく分からなくて、自分でも何が言いたいのかよくわからなかった
自分でも驚くほどしどろもどろな言い方になってしまったけど、そんな俺に先輩はさも当然のように言った
成瀬
成瀬
思わず目を見開いた。俺にとってその言葉は理解不能だった
固まっている俺を見て少し呆れたように笑った先輩は、なんて言うか……本当に「先輩」って感じがした
それと同時に「ああ…この先輩には一生敵わないんだろうな」なんて、馬鹿げたことを心の底から思った
成瀬
その言葉に俺はハッとして軽くお辞儀をしてからコートに向かう
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元々馴れ合いが好きな訳でもない。
むしろ面倒ごとは嫌い。
国見
"必要最低限な時でしか関わらない"
この言葉は撤回しよう
〝彼女に近づいてみたい〟
そう思ってしまったから
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩♡×400
コメント
1件
ん?国見ちゃんもしかしてもしかしたら…特別な感情を抱いたのか?……続き待ってます!