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エシア
おばあちゃんに野イチゴを摘んでくるように頼まれたの
エシア
付き合わせてごめんねリルちゃん
リル
ううん わたし学校から帰ってもやることないからいいよ
リル
ルドさんにはいつもお世話になってるから
リル
でも町の近くの森 奥まで行ったの初めて 野イチゴが実っているのね
エシア
ええ わたしはおばあちゃんのお手伝いで良くこの森で遊んでいたから 木の実が実っている場所とか知っているの
リル
わたし運動が本当に苦手だから森に入るのは初めて
リル
足手まといになったらごめんなさい
エシア
そんなこと気にしないで この先にはきれいなお花畑があるのよ
リル
そうなの？楽しみ
エシア
わたしがもっと小さい頃に見つけたのよ
エシア
わたしの両親はいつも仕事で忙しくてわたしはおばあちゃんのところからこの森に行っていたわ
エシア
おばあちゃんの家からのほうが森へ行くには近かったから
エシア
それにおばあちゃんは魔女だからこの森でお菓子の材料になる木の実を探したりしていたの
エシア
わたしはいつもおばあちゃんにくっついていた
リル
わたしの両親も仕事で忙しくて わたしの話し相手はあの黒猫のぬいぐるみ
エシア
そうなのね でもリルちゃんのお母さんが作ってくれたんでしょう？優しいお母さんね
リル
わたしが本当に小さい頃は優しかったの でも今は勉強をするようにってうるさくなっちゃった
リル
本当に小さい頃は遊んでいられて良かったな
エシア
おばあちゃんは子供達の負担が大き過ぎるって 頑張らせ過ぎだって思ってるわ
エシア
魔女はもっと自由な存在なんですもの
リル
ルドさんは本当に他の大人達とは違ったわ
リル
でもわたしの毎日は変わらない もう頑張れないのに どうすればいいの？ なんの取り柄もない
エシア
そんなことないと思うわよ 光の国の人達が頑張り過ぎているだけで
エシア
リルちゃんは悪くないわ
リル
でもどうすればいいの？
エシア
なんとかしてあげたいけど わたし本を読むのは好きなの いろいろ調べてみるわ
リル
うん ありがとう わたし勉強もそんなに得意じゃないから
エシア
でもリルちゃんは気持ちが優しいと思うわ 誰のことも悪く言わないもの
リル
そう？ありがとう
エシア
野イチゴもだいぶ集まったからお花畑で遊びましょう
リル
うん
リル
わあ かわいい
エシア
今日もとてもきれいね
リル
小川も流れているのね
エシア
水がきれいだから飲んでも大丈夫よ おばあちゃんに教わったの
リル
うん おいしい
エシア
わたし 勉強に疲れるといつもここに来るの
エシア
お母さんみたいに薬剤師になりたいけど、叶えるのは大変だから
エシア
なんとか本を読むのは好きだけど じつはわたしも頑張るのは得意じゃないの
エシア
楽しいことや自由が大好きなの
エシア
あまり難しいことは考えたくない だからわたしは光の力になかなか目覚められない お母さんは光の力に目覚めているのに
エシア
お母さんを尊敬していてお母さんみたいになりたいのに
エシア
わたしの性格は自由奔放過ぎるのよね
リル
わたしの両親は神殿で働いている職業のためか、ふたりとも光の力に目覚めているわ
リル
わたしも期待されてた
リル
でもわたしはお父さんやお母さんみたいになれない
リル
エシアさんも悩んでいたのね
エシア
わたしが魔法の力のほうを受け継いで生まれていたら良かったのに
エシア
でもわたしはお母さんみたいになるのもあきらめられない もっと頑張れたらいいのに
リル
エシアさんは、わたしよりずっとしっかりしているから大丈夫だよ
リル
わたしはどうすればいいんだろう？どうしても頑張れなかった
エシア
ふたりで協力すればなんとか方法があるわ わたし本で調べてみるから
リル
ありがとう
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