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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 殺し屋パロ
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#6 死の輪郭、翠の鉛筆がなぞるもの
早朝のアトリエ。
まだ陽も昇りきらない時間。
ガラス越しの淡い光が、室内の白い壁に静かに差し込んでいた。
すちは黙って鉛筆を走らせていた。
イーゼルに貼られたスケッチブックには、首を傾けた男の素描。
眼窩の深さ、筋肉の緩み、頬骨の角度。
それらは──死体のものだった。
# 翠
軽く口元を歪めて笑いながら、筆圧を調整する。
感情ではなく、構造と法則に従って“死”を描くその手は、異様なまでに正確だった。
携帯が震える。
着信ではなく、暗号化されたメッセージ。
《次の対象:目黒区/映像関係/表面上は事故処理を推奨》
すちは描きかけのスケッチを閉じ、椅子の背にもたれる。
# 翠
# 翠
一見ぼんやりとした瞳に、わずかに鋭さが灯る。
それは、“翠”が目を覚ます合図だった。
昼下がりの都内。
一見すると何の変哲もない、撮影スタジオの裏口。
標的はテレビ関係の制作マン。
顔写真も動画も豊富に揃っていた。
あまりに目立ちすぎていた。
# 翠
翠はサングラスをかけ、搬入業者のような服装で裏口から潜り込む。
バッグの中には解体済みのパーツ──武器ではなく、スケッチ道具。
標的の男は、誰かと電話しながらスタッフルームを出てきた。
スマホを手に、無防備に笑いながら――
その姿を目の端で確認した瞬間、翠は手を動かす。
ジャケットの内側から抜き取った細いワイヤー。
すれ違いざま、背後から一閃。
# 翠
# 翠
音を立てる暇もなく、男は崩れ落ちた。
周囲には誰もいない。
まるで、最初から存在しなかったかのように。
翠は倒れた身体を静かに抱え、非常階段の踊り場まで引きずる。
その瞳は、光を失っていなかった。
むしろ、いきいきと輝いていた。
# 翠
20分後。
裏通りに停めた車のトランクの中で、翠は男の遺体を丁寧にポージングさせていた。
腕の位置、首の角度、指先のこわばり方。
そして、スケッチブックを取り出す。
鉛筆が静かに走る。
# 翠
# 翠
# 翠
# 翠
誰に見せるわけでもない。
依頼に含まれているわけでもない。
それでも翠は執拗に描き続ける。
この死体が“消える前”に、記録しなければならないという衝動に突き動かされて。
# 翠
最後の一筆を描き終えると、遺体に一枚の布を被せた。
助手席に置いていた簡易発火装置のスイッチを押す。
トランクが炎に包まれ、煙が立ち上る。
その様子を、翠は少し離れた場所から静かに見つめていた。
嫌がる様子もない。
むしろ、その表情には微笑さえ浮かぶ。
# 翠
夜。
アトリエに戻ったすちは、完成したスケッチを専用のファイルに収めた。
すでに数十枚の“記録”が並んでいる。
すちにとって、人を殺すという行為は目的ではなかった。
それは、“死という瞬間のかたち”を収集するための手段。
報告用の端末に、短くメッセージを打つ。
《任務完了/事故として処理済/痕跡なし》
送信を終えると、新しいスケッチブックを開く。
# 翠
──翠は、殺し屋ではないのかもしれない。
命を奪うことは、ただ“描くための準備”であり、死は芸術のモチーフに過ぎない。
美を愛し、死を愛する者。
それが、“翠”という存在だった。
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡70
rara🎼
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