テコテコ
テコテコ
全員
数秒間固まった
永遠に感じるほど長い時間
それが過ぎた時
レイは
病室備え付けの 洗面台にある鏡を見た
そして唐突に
顔色を変えて叫んだ
レイ
レイ
レイ
全員、すぐに駆け寄って
裸のレイに タオルケットを羽織らせようとした
それでもレイは マイキーたちに気づかないのか
叫び続けた
レイ
レイ
レイ
イザナ
イザナ
レイ
大寿
武道
マイキー
マイキー
マイキー
マイキー
レイ
レイ
レイ
イザナ
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
マイキー
マイキー
マイキー
レイ
レイ
レイ
レイ
イザナ
レイ
マイキー
レイ
レイ
レイ
レイ
レイ
大寿
大寿
レイ
レイ
武道
レイ
武道
マイキー
マイキー
マイキー
レイ
イザナはレイをタオルケットごと 抱きしめた
イザナ
イザナ
そして
武道のナースコールで
医師や看護師が複数人やってきた
ずっと
興奮状況のレイに
やむなく 精神安定剤と睡眠薬が投与された
意識が無くなっていくレイに
武道は呼びかけた
武道
武道
武道
武道
武道
レイ
レイ
レイ
イザナ
武道
マイキー
マイキー
その一言を最後に レイは眠りについた
部屋に転がっている男2人は
かろうじて生きてはいたものの
重症のため処置室に運ばれた
この日
レイは完全に壊れてしまった
いや、元々
壊れていたんだ
レイは
ヒビの入ったコップだ
ほっとくとすぐに壊れて 中身が出る
だから、こぼれないように
ヒビを補強して補強して
ヒビを"治す"じゃなくて "誤魔化す"ことで
生き続けて来たんだ
だから、ほんとなら
もうとっくに限界だったんだ
でも、レイは我慢できちまうから
我慢した
我慢して
我慢して
誤魔化して誤魔化して
でも、とうとう
溢れちまったんだ
そうだ
早く気づくべきだった
レイは笑うことで 自分を誤魔化していた
笑って 笑って
でも
あの日
レヴィがいなくなった日から
もうそれすらもできなくなって
苦しんでたんだ
前に、スマイリーとアングリーに 聞いたことがある
「双子ってのは産まれた時から 一緒だからな」
「俺もアイツだしアイツも俺なんだ」
「どっちかがいなくなったら」
「きっと」
きっと
自分が半分死んだと同義なんだ
自分が半分死んで
リーヨ達の幻覚を見て
何にもわかんなく なっちまったんだろうな
俺と同じだ
真一郎が死んでからの俺と
なら
もしかしたら
レイも、、、
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
コメント
1件
続き楽しみです!