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そうつぶやいてみる。 結局昨夜は一睡もできなかった。 涙が乾いて顔がぐちゃぐちゃになっているのが、 鏡を見なくてもわかる。 もう少しで待ち合わせの時間だ。 いつもだったら遅れていくけれど、 今日はいふくんと会う時間をずらすためにも、 少し早めに行こうかな。 そう考えて、僕は立ち上がって支度をした。
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身支度を整えて、鏡の前に立つと、 思ったより自分がひどい顔をしていることに気づいた。 …でも、まぁ今さら直せないし、 どうにかごまかすしかないよね。 昨日の電話では悪く働いた思慮の浅さが、 今日は幸いだったかな、なんて。 心の中で軽口をたたいても、 どう自分を取り繕っても、 やっぱり傷はいえないままだった。
ー待ち合わせ時刻、待ち合わせ場所ー
🍣side
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もう習慣と化したメンバーの遅刻は、 唯一時刻通りに来る俺の待ってる間の娯楽にもなっている。 こうやって、何分、だれが遅れてくるのかを予想するのだ。 まぁ最後はやっぱいむだよな。 あいつの遅刻の回数、そろそろ五百に達しそうだから、 今度お祝いしてあげないと。 (※お祝い=説教) …そう思っていたら。
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1分遅れとはいえ、いむがこんなに早く来たのは初めてだ。 何があったんだろ、といむをじぃっと見つめると。 いむの目がすごく腫れているのに気づいた。 …もしかして泣いた? だとしたらなんでだろう。 色々と思いを巡らすと、初兎ちゃんが前に言ってたことを思いだす。 ――「ないちゃん、いむくんまろちゃんのこと好きらしいで!」 まぁ青組以外は俺も含めて全員腐男子だから、 それ自体は喜ばしい事なんだけど。 いむがまろ関係で泣いているんだとしたら、 速攻で話を聞かなくては! これでいむがまろに冷めてしまったら、 来そうだった萌え展開もこないかもしれない。
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そう聞くと、いむは目をそらした。 いむは元からウソをつくのが下手だ。 根がいい子だから、ウソつくときに目を合わせられないんだよね。 …つまり、ドラマなんかじゃなくて、 何かあったってことだ。
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ここまで頑なに言わないのなら、 諦めて下がるべきなのだろう。 そんなことはわかっている。 ……でも。 リーダーとしても、俺としても、これは見過ごせない。 青組の尊い場面を見たいってのもあるけど、 何よりいむが心配。
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ごまかし方下手クソ過ぎやろ。 …やっぱなんかあったんだなぁ。 後で初兎ちゃんに協力してもらって、まろにも問い詰めよう。 そう思いつつも、もう一度声を掛けようとした時。
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当の本人がやってきた。 こいつもなんかいむと気まずそうだし、 ちょっと探りいれてみるか。
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青組の表情がかすかに動く。 いむは心配そうにまろのことを見ていて、 まろは興味なさそうな顔を取り繕ってる。
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ケンカという単語を出すと、 さっきまでのふてぶてしさはどこへやら、 まろは口ごもって目を伏せた。 …げ、どうしよ、この空気……。 そう思ったところで、ちょうど初兎ちゃん達が来た。
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ん?いむ、なんでそんな悲しそうな顔なんだろ…? ………あっ、なるほど、そういうことか(察)
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これは話を聞くチャンスだぞ、と初兎ちゃんに目配せをする。 (※なんで🐇君なのかというと、彼が一番腐ってるからですw) こくんとうなずく彼。
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りうらが言って、一瞬でアニキを連れていく。 …あの二人、意外とお似合いかもしれない。 まぁそんなこと考えてる場合じゃないんだけど。 さて、どうやっていむに聞こうか…。
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そう思ってると、いむが俺の手をとって駆け出す。 いむ、意外と足速い…っ!
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そう言いながら俺は追いかけた。
ー🐇目線ー
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僕がそう問いかけると、まろちゃんはぎゅっと悔しそうな顔をした。 …いや、そんな顔するんやったら、 最初からいむくん選んだらええやん。 そうは思うが、まろちゃんに話を聞きたかった僕としては、 好都合だから口には出さないでおく。
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どう考えたってごまかしとるよな。 しかし、いむくんもまろちゃんも、 六年も前から一途に両片思いしてるん? ガチ萌えるやつやん…w
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いむくんがあれほど泣くのは、 やっぱり彼の想い人のまろちゃんが何か言ったからに違いない。 第一僕含めた青組以外のメンバーは、 そもそも昨日いむくんとライン上でしか話してないし。 まぁメンバー以外って可能性もあるけど、 そうしたら僕らの前では普通にふるまってもおかしくないよな。
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はたから見たらバカみたいな話だけど、 二人とも自分が相手に好かれてないと思ってる。 特にいむくんは、自己肯定あんませんし。 きっと、そこでいろいろすれ違ったんだろう。 ……でも。
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そこから彼が話したのは、なるほど、と納得できてしまう話だった。 (※詳しくは四話目参照) それに、これは僕にも責任があるな…。 好きなタイプを聞けと言ったのは僕だし。 まぁ、おおかた自己肯定感が低いから、 その好きなタイプも違う人に聞こえて、 哀しいのと恥ずかしいのでどっきりなんて嘘をついたんだろう。 だてに友達なわけじゃないから、これくらいわかる。
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ま、どっちかって言うと、怒ってるより悲しんでるんだろうけど。 事情が分かれば、いむくんの悲しみも半減するかな。
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ー💎目線ー
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店員さん
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店員さん
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そうやって言うないちゃんは、 たしかに真剣に心配してくれてるようだった。 …でも、そっちの方がますます言いにくい。 だって、これだけ心配かけて、 好きな人から大嫌いって言われて泣いてたなんて、 とてもじゃないけど言えないよ…。
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そうつぶやくと、さすがに堪忍袋の緒が切れたのか、 ないちゃんはこっちまですたすたと歩いてきた。 僕はなんとなく、近づかれた分だけ下がってしまう。 でも、下がった先には壁があって。 どうにも逃げられなくなった時__。
ドンッ!
かなり大きな音が響く。 でも、みんな自分の買い物に集中していて、 誰も僕らのことを気にしていない。 …ってか、え…? これ、いわゆる「壁ドン」……? えどういう状況…??
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少し前と同じセリフを、低い声でくり返すないちゃん。 …そこまで言われたらさすがに抵抗できなくなって、 僕はへなへなと床にしゃがんだ。
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…あれ?また僕、泣いちゃってる…? 枯れたはずの涙が、どんどんあふれ出てくる。
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派手に泣き出した僕に、さすがにみんなの視線が集まる。 ないちゃんはそれを感じてか、
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と言って、僕を立たせてくれた。 涙で滲んだ景色が揺れる。 立ち上がって周りを見渡すと___
そこには、いふくんがいた
……え?いふくん…? もしかして、今の見られて……? ……って、もういいのか。 いふくん、僕のこと嫌いだもんね。 …悲しいけど。 でも、認めざるを得ない。 そもそも好きなのは初兎ちゃんなわけだし。 …悲しい、けどっ…
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そんなことを考えてる間に、 僕はちがう所に移動していたみたいで。 ないちゃんが心配そうな顔で、そう問いかけてくれた。
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それから、僕は昨日のことのてん末を話した。 …いたたまれなくなってどっきりってウソついたりとか、 すごい言いにくかったけれど、 それでもちゃんと言えた。
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でも、いふくんが好きなのは初兎ちゃん。 心の中で自虐的につぶやいてみる。 また涙が流れそうになった時。
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ないちゃんが何か言いかけたところで、 ぴよにきの二人がやってきた。 …って、あ、もうそんな時間か。
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もう泣き止んだし、 これからしょまろの二人とも会うんだから、 元気でいないといけない。 …会いたくないなぁ……っ。
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コメント
2件
フォロー&初コメ失礼します! めっちゃ感動しました!続きが楽しみです!!(*ˊ꒳ˋ*)