テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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今週のお題詰め合わせ

第7話 - 初恋あるある講座

252

2020年02月02日

#今週のお題

チーズinペペロンチーノ

ーちゅんちゅん、チチチー (訳:朝だぞ起きろ人間共！)

月乃(つきの)

んあ"？

月乃(つきの)

んん...

月乃(つきの)

外が眩しい...

月乃(つきの)

あ"ッ！？

月乃(つきの)

やだ、今何時！？

バタバタと飛び起きて

時計を見てまた飛び跳ねる

月乃(つきの)

ちっ、ち、ちこ、遅刻〜ッ！！！！

盛大に寝坊して遅刻ギリギリ

こんな日に限って家族はみんな朝早い

月乃(つきの)

なんでなんでなんで〜！

月乃(つきの)

誰か起こしてくれても良いのにぃ〜！

文句を垂れても始まらない

慌てて身支度を整える

月乃(つきの)

えへへ

月乃(つきの)

でも夢で宮下クンに会えた...

月乃(つきの)

うぇへへッ

初恋あるあるその1 『好きな子の夢を見がち』

幸せなはずなのに

遅刻ギリギリのせいで余韻にも浸れない

鞄にお菓子と菓子パンを詰め込んで

しっかりと鍵の確認をして家を出る

月乃(つきの)

あーやだっ

月乃(つきの)

何で朝から全力で走らなきゃいけないの〜！

月乃(つきの)

絶対間に合わせてやるんだから〜！

月乃(つきの)

んいぃ〜！！

変な鳴き声を上げながら

既に人通りが少なくなった通学路を走った

月乃(つきの)

ぜぇっ、はぁっ、ぜぇ...ッ

月乃(つきの)

ぐっ、ま、間に...合った...うえぇ

まだ一日の始まりだと言うのに

もう残りライフは少なくなってしまった

人生で1番の全力疾走のおかげで

奇跡的に始業の5分前には校門に着いた

月乃(つきの)

髪ぐちゃぐちゃ

月乃(つきの)

宮下クンに会う前に直さなきゃッ

初恋あるあるその2 『好きな子に会う前に見た目チェック』

ポポイと靴から上履きに替える

教室から1番近いトイレに入り

鏡を見て身だしなみを整える

月乃(つきの)

うーん

月乃(つきの)

何でこのアホ毛直らないの〜

月乃(つきの)

むむぅ〜ッ

キーンコーンカーンコーン

月乃(つきの)

！？

月乃(つきの)

やばいやばい！

月乃(つきの)

朝の会始まっちゃう！

結局アホ毛は立てたまま

自分の席に急いで座った

1時間目の途中

トントン

月乃(つきの)

ん？

授業中に回ってきた紙切れ

よくある手紙回しだ

月乃(つきの)

(ん〜、なになに〜？)

月乃(つきの)

(あ、ほ、げ、たっ、て、る、ぞ？)

月乃(つきの)

(ちょっ、誰！？)

宮下

月乃(つきの)

(え、あ、わっ)

月乃(つきの)

(宮下クン〜ッ！？)

初恋あるあるその3 『好きな人なら嫌な事でも何でもよくなる』

こっそりと宮下クンの方を見る

宮下(みやした)

『あ、ほ、げ』

月乃(つきの)

ッ〜！！

宮下クンもこちらを見ていたらしく

目が合うと、口パクで『アホ毛』って言われた

本当なら怒れるはずなのに

恥ずかしいけど嬉しくて

両手で顔を隠して俯く

月乃(つきの)

(あぁ〜！)

月乃(つきの)

(もう、今絶対顔真っ赤だ)

月乃(つきの)

(でも宮下クンが見てくれてる...)

月乃(つきの)

(もしかして宮下クンも...)

月乃(つきの)

(あ"ー！バカっ！)

月乃(つきの)

(そんな訳ないじゃんか〜ッ！)

初恋あるあるその4 『ちょっとした事で相手も自分に気があると想像する』

1人で悶々と想像していると

パコンッ

月乃(つきの)

痛ッ

月乃(つきの)

はへ！？

教科担任に頭をしばかれた

休み時間

宮下(みやした)

おい、月乃

月乃(つきの)

ま、み、宮下クンッ

月乃(つきの)

な、何？

初恋あるあるその5 『緊張して上手く話せない』

宮下(みやした)

このアホ毛は何だよ

宮下(みやした)

また朝ギリギリだったんだろ

月乃(つきの)

ま、また！？

月乃(つきの)

いつもこんなんじゃないよっ！

宮下(みやした)

いーや

宮下(みやした)

2日前もそのアホ毛立ってた

月乃(つきの)

立ってないよ！

月乃(つきの)

宮下クン、適当言ってるでしょ！

宮下(みやした)

ちゃんと見たって！

宮下(みやした)

月乃のアホ毛

月乃(つきの)

も、も〜

月乃(つきの)

止めてってば！

月乃(つきの)

宮下クンだって！

月乃(つきの)

アホ毛立ってるもん

宮下(みやした)

はぁ！？

宮下(みやした)

どこっ

宮下(みやした)

立ってないだろ！

初恋あるあるその6 『思わず言い返して痴話喧嘩みたいになる』

月乃(つきの)

ほら、ココ

宮下(みやした)

これ？

宮下(みやした)

これアホ毛なの？

月乃(つきの)

びょんって変に飛び出してるから

月乃(つきの)

立派なアホ毛だよ！

そこでピタリと動きを止める

そしてギクシャクと手を引っ込めた

月乃(つきの)

(ば、バカ、近いッ！)

月乃(つきの)

(ムリムリ！)

月乃(つきの)

(この距離ムリ！)

初恋あるあるその7 『無意識に距離が近くなる』

宮下(みやした)

恥ずかしッ

宮下(みやした)

誰にも言うなよ

月乃(つきの)

い、言わないよ...

宮下(みやした)

秘密な

宮下(みやした)

ちょっと直してくる

月乃(つきの)

う、うん

月乃(つきの)

行ってらっしゃい...

宮下クンが照れてるなんて

レアなものを見てしまった

月乃(つきの)

か、可愛い...

初恋あるあるその8 『好きな人がたまに可愛く見える』

宮下クンの背中を見送り

ふぅっと大きく息を吐く

秘密とか言われると変にドキドキしてしまう

宮下クンは優しい男の子

クラスの皆に話し掛けてる

勘違いしたらダメ

そんなの分かってるけど

意識せずにはいられない

月乃(つきの)

...罪だよなぁ

月乃(つきの)

本トにもうっ

初恋あるあるその9 『勘違いしない様にセーブをかける』

月乃(つきの)

て、あ！

月乃(つきの)

しまったぁ！

月乃(つきの)

私も直して来れば良かった〜！

キーンコーンカーンコーン

無情にも授業開始の合図は鳴った

月乃(つきの)

やっと学校終わった〜

下校中に伸びをしながらポツリと呟く

学校は嫌いじゃないけど

どうしてこんなに長く億劫に感じるのだろう

家までの道をテクテク歩きながら

頭の中は別世界へと飛んでいた

月乃(つきの)

(今日は宮下クンと沢山話せた)

月乃(つきの)

(でもアホ毛見られてたのは恥ずかしい...)

初恋あるあるその10 『一日の終わりに好きな人の思い出を遡る』

月乃(つきの)

(宮下クンって彼女いるのかなぁ)

初恋あるあるその11 『好きな人の好きな人が知りたい』

月乃(つきの)

(いなくっても私じゃダメだよね...)

月乃(つきの)

はぁっ

月乃(つきの)

(じゃあ、でも、もし告白するなら)

月乃(つきの)

(どうやって告白したら良いかな！？)

月乃(つきの)

(手紙？メッセージ？)

月乃(つきの)

(やっぱり直接だよね...)

初恋あるあるその12 『告白の仕方をめちゃくちゃ悩む』

月乃(つきの)

いや、直接はムリだよ〜ッ

月乃(つきの)

普通に話すのもムリなのに...

月乃(つきの)

はあっ

初恋あるあるその13 『悩み過ぎて溜め息が多い』

宮下(みやした)

月乃！

月乃(つきの)

ぴっ！？

宮下(みやした)

や、驚きすぎw

月乃(つきの)

ば、び、びっくりしたよ...っ

月乃(つきの)

み、宮下クン、どーしたの？

驚き過ぎて声がひっくり返ってしまった

宮下クンはクスクスと笑って隣を歩く

月乃(つきの)

(なになに！？)

月乃(つきの)

(急展開過ぎて顔爆発しそうっ)

宮下(みやした)

何か1人でぶつくさ言ってるから

宮下(みやした)

大丈夫かなぁって

月乃(つきの)

え"っ！？

月乃(つきの)

こ、声、出てた...？

おそるおそる宮下クンに聞くと

宮下(みやした)

なんて言ってるかは分からなかったけど

宮下(みやした)

声には出てたよ？

月乃(つきの)

う、嘘...

初恋あるあるその14 『思ってる事がたまに口に出る』

月乃(つきの)

ほ、ほんとに！

月乃(つきの)

本当に何言ってるか分かんなかった！？

宮下(みやした)

お、おう

宮下(みやした)

全然分かんなかった

月乃(つきの)

よ、良かった〜

宮下(みやした)

そんなに俺に聞かれたく無い事だったの？

安堵の溜め息を吐くと

宮下クンは口をムッとへの字に曲げた

宮下(みやした)

ちょっと良い？

月乃(つきの)

え、な、何？

宮下(みやした)

着いて来て

月乃(つきの)

え？

月乃(つきの)

うん...

月乃(つきの)

分かった

宮下クンは少し不機嫌なまま

スタスタと何処かへ歩いて行く

訳も分からないままに

大人しくその後ろを着いて行った

着いたのは近くの神社

この時間はほとんど人がいない

月乃(つきの)

(宮下クン、怒ってる？)

月乃(つきの)

(ど、どうしよう)

月乃(つきの)

(私嫌われたかな！？)

初恋あるあるその15 『相手の反応が良くないと嫌われたと思いがち』

宮下(みやした)

あのさ

月乃(つきの)

はいっ！

宮下(みやした)

あ、ごめん

宮下(みやした)

怒るとかじゃないから

宮下(みやした)

そんな怯えないで

月乃(つきの)

そ、そうなの？

月乃(つきの)

ごめんなさい...

宮下(みやした)

いや謝んないで

宮下(みやした)

月乃、何も悪い事してないから

柔らかく微笑む宮下クンを見て

本当に怒ってないんだと安心する

月乃(つきの)

うん

月乃(つきの)

じゃあ、他に何か用事？

宮下(みやした)

うん

宮下クンは短く返事をすると

分かりやすく深呼吸をした

宮下(みやした)

今日のさ

宮下(みやした)

月乃のアホ毛見てさ

月乃(つきの)

ぐぅっ

宮下(みやした)

やっぱ可愛いなって

月乃(つきの)

か、わ...？？？

宮下クンの頬が赤くなってる

つられてコッチも赤くなる

けど頭が追い付かない

今、何を言われたの？

宮下(みやした)

俺、月乃の事が好き

宮下(みやした)

返事はいつでも大丈夫だから

宮下(みやした)

俺と、付き合ってください！

月乃(つきの)

...

宮下(みやした)

急に驚いた？

宮下(みやした)

何か早く告わないとダメな気がして...

月乃(つきの)

...

宮下(みやした)

俺、本気だからね

宮下(みやした)

返事楽しみにしてる

宮下(みやした)

じゃあ、また明日

月乃(つきの)

...

宮下クンは背中を向けて帰って行った

しばらくぼぉっと突っ立っていたけど

さすがに暗くなってきたので家に帰った

月乃(つきの)

ふーっ

月乃(つきの)

あっつ〜

お風呂上がりで濡れた髪を乾かしながら

自室のベッドでくつろぐ

ご飯も食べて宿題もやった

今日はもう寝るだけ

月乃(つきの)

返事かぁ

そうポツリと呟いて

ドライヤーをガタンッと床に落とした

月乃(つきの)

へ、へ、返事！？

月乃(つきの)

な、何の？？？

月乃(つきの)

わ、わた、私ッ

宮下(みやした)

『俺と、付き合ってください！』

月乃(つきの)

宮下クンに告白されたぁ〜！？！？！？

大声で叫ぶと

下からお母さんの「月乃うるさい！」って声が聞こえた

でもそんなの頭に入らないくらい

頭も心も爆発していた

初恋あるあるその16 『告白されたと気付くのが遅い』

月乃(つきの)

ど、どーしよ〜！！！！

初恋あるある講座〜fin〜

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