娘
パパ〜、それなあに?
父
これ? 指輪って言うんだよ
娘
ママがしてるやつ〜?
父
んー、これはね
父
パパの初恋の人から貰ったんだ
娘
はつこい?
父
生まれて初めての恋のことだよ
娘
パパのはつこい、どんな人〜?
父
うーん、そうだな・・・
父
すごく優しくて強い人だったよ。
父
彼女はね、僕の光だった
父
眩しいのに、穏やかで、優しくて、あったかい
父
まるで、暗闇の広がる世界に光が差すみたいに──
これは、 たったひとつの愛の物語。
10年前
黒沢先生
光さんは、長くても3年
黒沢先生
短かったら1年の命でしょう
光
・・・
光の母
そ、そんな・・・
光の母
どうにか、ならないですか
光の母
手術とか、治療薬とか
黒沢先生
残念ですが
黒沢先生
10万人に1人と言われている難病で
黒沢先生
まだ未知な部分が多いです
黒沢先生
原因や治療法の多くは解明されていません
光の母
そんな、、3年だなんて
光の母
どうして光が・・・
光
・・・泣かないでよ、お母さん
光
私なら大丈夫
光
3年あったら好きなこと全部できるよ
光の母
光・・・ごめんね・・・
光
・・・先生
黒沢先生
はい
光
あとどれくらい今のままでいられますか
黒沢先生
・・・断言は出来ませんが
黒沢先生
おそらく来年の冬には・・・
光
・・・そっか
黒沢先生
いつ何が起こるか分からない病気です
黒沢先生
1日2回、必ず薬を服用してください
黒沢先生
それから、激しい運動はなるべく控えるように
光
・・・
光
わかりました
光
バレー、辞めればいいんですね
光の母
光・・・
光
続けられないもんはしょうがないよ
光
私のせいでチームの足引っ張るとか嫌だし
光
小学校からやってきたしもう十分かな
黒沢先生
・・・力になれず申し訳ない
黒沢先生
できるだけ光さんの希望に添えるよう
黒沢先生
最善は尽くさせていただきます
光
希望、ね・・・
光
じゃあひとつだけ
光
約束して欲しいんです
黒沢先生
約束?
光
家族以外には、誰にも話さないで
光
学校はちゃんと卒業したい
光
みんなのこと大好きだからさ
光
最後まで笑ってたい
光
だから先生、お母さん
光
お願い
黒沢先生
──約束します
光
ありがとう
光
死ぬまで生きるよ、私






