テラーノベル
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教室のざわめきが . 俺の耳には遠くてぼんやりとしたノイズにしか聞こえなかった 。
黒板の前で笑うクラスメイトたちの声も . 俺には刺さるだけで . 心には届かない 。
今日も . 机の下に隠れた靴のかかとを蹴られ . 笑われた 。
める
俺はそっとノートに視線を落とした 。
文字をなぞる手の震えは止まらない 。
それでも .
何も言えない 。
言ったところで . 何も変わらないと知っているから 。
家に帰ると . 俺はただベッドに倒れ込んだ 。
涙がひとしずく . 頬を伝う 。
目を閉じると . 世界は暗く . 重く沈んでいった __
その瞬間 . ふわりと . 軽い感触に包まれた 。
める
めるが目を開けると . そこは見覚えのない場所だった 。
空は淡い紫色に染まり . 風は甘い匂いを運んでくる 。
そして . そこに立っていたのは . 柔らかい笑みを浮かべた少年だった。
みか
みか
少年の声は . どこか夢のように透明で . めるの胸に直接響く 。
める
みか
みか
俺は言葉を失った 。
ただ . その瞳の奥にある優しさと不思議な力に引き寄せられるように . そっと手を差し伸べた __ 。