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ひぇっ…!? まさかの右腕ボロ雑巾化&自分で切り落とす選択…! 「ごめん、なつ。あの願い聞けそうにねーわ」の流れで過去の平手打ちシーンが刺さりすぎてもう…😭💔 「自分で自分を傷つけるな」って願った本人を今傷つけてるの、いるまの心情が重くて苦しい…。 でも動くための決断だったってわかってるから余計泣ける…!! 変わり果てた光景も含めて、圧巻の第33話でした…ッ✨
「………ポタッ」
「…ポタッ………ポタポタッ」
…?
閉じた瞼を揺らす僅かな刺激
なにか
生温かいものが頬をつたい
落ちていく
……雨?
あんなに綺麗な満月だったのに…?
いるま
薄っすらと目を開ける
直後
俺の視線は
ある一点に釘付けになった
いるま
依然輝きを失わない魔法陣の光
その奥に見える男の目には
大粒の涙がたまっていた
いるま
真っ赤な瞳から溢れ落ちるそれは宝石のようで
瞬きも忘れ魅入ってしまう
世界が止まったようにさえ感じた
いるま
震える唇が無意識に漏らした彼の名
そんな俺の言葉に呼応するように
今まで引き結ばれていた彼の口が動き出す
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いるま
俺は目を見開いた
いるま
いるま
いるま
彼の発した単語を
頭のなかでひたすら反芻する
いるま…
いるまって言った…?
今
いるまって言った?
今いるまって、……
いるま
いるま………
は?
いるまって何
いるまって
__俺か
ん?
まてまてまて
俺は…
俺は、“いるま”で
“いるま”が………俺
いるま=俺…(?)
じゃあ、俺って……
状況を受け止めきれずバグる脳
そんなショート寸前の熱くなった脳に 割って入ってきたのは
一つの危険信号だった
眼前で展開された魔法陣が
ひときわ強い光を放つ
あ、
やべ…
いるま
いるま
…生きてる
胸に手を当て
心臓の鼓動を感じ取った俺は
その場に倒れ込んだ
危ねえ
間一髪……
魔法が放たれる直前
俺は咄嗟に
両足に全神経を集中させた
俺自身もよく覚えていないが
今のこの状況から察するに
どうやら俺は
彼の攻撃を回避することに成功したらしい
立ち上がれないほど疲労困憊の俺に
何故そんな芸当ができたのか
これが俗に言う
火事場の馬鹿力というやつなのかもしれない
死ぬかと思った…
__いや死ぬつもりだったんだけど
いるま
安堵の溜息を一つつく
そうだ、あいつは?!
俺は目をキョロキョロと動かした
何も見えない
辺り一面土埃
いるま
汚れた空気に少しむせ
俺はふと
視界の端を横切ったとある物体に目を留めた
モワモワと立ち上る砂煙の中
目を凝らしてその物体を観察する
茶色く薄汚れたそれは さながら絞られたボロ雑巾であった
不思議なことにそのボロ雑巾は
俺の倒れている近辺から伸びているようである
果たして、その先には何があるのか
俺はゆっくりと
ボロ雑巾の繋がる先を目で追った
いるま
それを見たとき
俺の思考は停止した
ボロ雑巾の先にあったのは
ほかでもない
己の右肩だった
ということは……
俺は再び
ボロ雑巾へと視線を戻す
あれは
まさか
「 ウ"… カ"ア"ア"ア"ァ"ァ"ッ !!! 」
その正体を理解した途端
死んでいた痛覚が息を吹き返し
想像を絶するほどの激痛が
俺の身に烈火の如く襲いかかった
痛い…ッ
痛い痛い痛い
轟く断末魔など気にする余裕もなく
俺は地面をのたうち回る
あのボロ雑巾のような物体は
俺の右腕だったのだ
パッと見ただけではわからなかった
それほど
俺の右腕は悲惨な見た目をしていた
骨はさも当たり前のようにへしゃげ
筋肉の繊維は引き千切れている
強く捻り上げられたそれは
なるほど
まさにボロ雑巾だった
感覚が無ければ 幾分かマシだったのかもしれないが
生憎俺の右腕の神経は
未だしぶとく生きていた
さらに追い打ちをかけるように
全身のあちこちから悲鳴が上がり始める
思い出したかのように傷口から吹き出す鮮血は
俺の肌を
衣服を
紅く染めていった
動けば刺激が増えるだけだ
俺は体の動きを止め
痛みに耐えることにした
小さく縮こまり
ただひたすらにじっと耐える
そんな俺の努力も虚しく
痛みは増すばかりであった
ドクン……ドクン……ドクン……
いるま
この心臓の僅かな鼓動さえ
痛みを増幅させるには十分すぎた
このままでは埒(らち)が明かない
偶然直ぐ側に転がっていた愛剣を 左手で掴んだ俺は
意を決して
その刃を
右腕の付け根へと突き刺した
いるま
新たに与えられた痛みに全身が跳ねる
懐かしいと思った
双鬼として戦場を駆けていた頃
あの頃の俺は
自分の四肢を自ら切り落とすことなど 日常茶飯事だった
「使えなくなったら捨てろ」
そう教わって育ってきたのだ
攻撃を受けて動かなくなった手足など
ただのお荷物でしかない
それなのに
「バチンッ」
いるま
[ ]
右肘から下を切り落として帰ってきた俺に 待っていたのは
骨にまで重く響く平手打ちだった
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ほんと
何回言われたら良いんだろう
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暇72
暇72
いるま
俺は彼に促され
持って帰ってきた“右前腕だったもの”を渡す
___数秒後
俺の右前腕は
まるで何事もなかったかのように
右肘から生えていた
いるま
暇72
暇72
暇72
いるま
いるま
暇72
暇72
いるま
いるま
暇72
暇72
出掛かった言葉を飲み込み
溜息をついた彼は
徐ろに俺の右腕に触れた
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そう言って目を伏せる
なんで
俺より痛そうな顔すんの…
いるま
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冗談混じりに頬を押さえて訴えてみると
彼は笑ってそう答えた
いつも通りのその笑顔に
少しだけホッとする
暇72
いるま
暇72
いるま
暇72
暇72
急に頭を撫でられて困惑する俺を横目に
彼はこんな言葉を残していった
暇72
暇72
暇72
あのとき放たれた彼の言葉は
生まれ変わった今でも
一言一句覚えている
「自分で自分を傷つけることだけは しないでほしい」
ごめん、なつ
あの願い
聞けそうにねーわ
…ザク…ザク…ザク…
目標:右肩
愛剣の切っ先を
刺しては抜き、刺しては抜き…
とうとう俺の右腕は
俺の胴体から完全に分離した
慣れた手つきで止血すると
痛みが嘘のように消えていく
これで…
動ける
剣を杖代わりにゆるゆると立ち上がる
土埃はとうに消え去っていたようで
どこもかしこもよく見えた
いるま
俺は全方位360°ぐるりと見回し
絶句した
そこには
建造物など一欠片もなかった
俺の記憶とは程遠い
変わり果てた光景が広がっていたのだ
まじかよ
三日月
memi(めみ)
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