お人形さん

これは、 私がまだ小さかった頃の話です。

それは人形でした。

私は正直、その人形を気に入っていませんでした。

しかし、父が私の為を思って買ってくれたと思うと、 それを言うことは小さかった私でも 出来ませんでした

それから数週間が経ちました。

やはりどうしてもその人形が気に入らなかった私は、母にそう言いました。

母は人形を捨ててくれませんでした。

それからまた数日が経ちました。

そして、私はある決断をしました。

私は自宅の庭に人形を埋めました。

そして私の周りで不幸が起き始めたのでした。

父が病で倒れ、母が怪我をし、 友人は階段から転落したり、ボールが目にあたり血だらけになったり…

人形を埋めたことに罪悪感があった私はすぐにそれが人形のせいだと思いました。

どうゆう訳か家族は全くその人形のことを覚えていませんでした。

その夜 夢を見ました。

起きた私はすぐに庭を掘り返しました。

しかし、どれだけ掘っても人形は見つかりませんでした。

そう思ったときでした。

ｷﾞｭｯ

誰かが私を抱きしめたのでした。

ふふふふ

ずっと一緒だよ、のりこ

それから数十年が経ち、私は大人になりました。

私は怒りで勢いよく家を出ました。

私の顔はあの不気味な人形になっていました。

私にはもう誰も味方はいません。

今考えると人形を埋めたあの時から私の運命は決まっていたのかも知れません。