某日
私はある宇宙研究家の元へ行った
テロス
研究家
テロス
研究家は怯んだ
当たり前だ。それを知ってるのはごく限られた人だけだ
テロス
テロス
サンタとは宇宙人の隠語だ
こう言えば研究家も安心するだろう
背の高い自分は相手を見下ろしてそういった
研究家
研究家
中へと案内された
中には、極秘資料でいっぱいだ
研究家
研究家は背伸びして資料を取り出す
自分なら直ぐにとどくだろうから手伝おうかと思った時
資料を持って研究家は戻ってきた
研究家
私は資料を受け取り目を通す
研究家
研究家
テロス
研究家
研究家
研究家の話を無視して資料を読む
見つかった死体の写真を見ても、間違いない
これは…………
研究家
テロス
興奮して大きな声を出してしまった
研究家
テロス
研究家が持ってきた資料には緑色の血を流した死体の写真があった
知っている人では無かったが1972年にこの星の調査があったのは知っている
恐らく着陸に失敗したのだろう
慣れない星でなら、よくある事だ
資料をめくろうとした時、紙で手を切った
テロス
声が出てしまった
必死に傷口を隠す
研究家
テロス
相手から手を遠ざけて言った
研究家
研究家はそう言って無理矢理押さえていた手をとった
テロス
傷は大して深くない
ただ、緑色の血が出ていた
研究家
研究家
人間の本能に従って動いているみたいな眼が印象的だった
あの日から、自分の世界は無機質な鉄格子の中になった
あれから直ぐに自分は捕えられ
実験に使われる物になっていた
この前は放射線を使った検査をされた
コンピュータの画面から推測すると内臓等の体の仕組みを調べたのだろう
一応こちらの機密に関わらない事は何でも向こう、アメリカのとある研究所に話すことにしている
半世紀使い続けた英語での会話が出来るのはかなり幸運だ
でも、一つだけ言わないと決めている事がある
自分が、何処から来たのかだ
エリック
自分について研究しているエリックが鉄格子を開けて言った
自分は何も言わずに立ち上がり、外に出る
逃げ出すことは可能だ
だが、今逃げれば自分はもっと酷い目に遭うだろう
ならば従う事が懸命だ
落ち着かないほど白い廊下を抜けて、本来カウンセリングに使うのだろう部屋に入る
エリックに促され、自分はイスに座った
テロス
エリック
エリック
エリック
テロス
テロス
テロス
エリック
テロス
エリック
エリック
エリック
年齢よりも若く感じる声でエリックは話す
きっとエリックは知らないのだ
出身地を明かす事の危険性を
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
エリック
エリックは机を拳で叩き叫んだ
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
エリックはそう言い切ると、自分の胸ぐらを掴む
テロス
テロス
そう伝えるとエリックは自分は手を離し
エリック
そう言って不敵な笑みを浮かべて去って行った
鉄格子の中、テロスは思考する
明日からは拷問が始まるのだろう
そうなったら自殺するのが普通なのだが
そうすることは出来ない
自分の所持品は携帯電話を始めポケットの奥に突っ込んどいたクーポンまで抜かれているのだ
命を経つことは出来ない
食事はずっと人が見張っているし
舌を切ったところで自分達は死なない
八方塞がりだ
考えている内にいつの間にか、眠ってしまった
朝、鉄格子を誰かが蹴る音で目を覚ました
エリック
テロス
連れてこられたのは昨日までの部屋ではなく、暗くいろんな色の血がついた部屋だった
中には自分と同じ、緑色の血もあった
テロス
エリック
テロス
エリック
テロス
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
そう言ってエリックは壁に目をやる
その視線を追うと、紫色の血が少しついていた
ゲマイン星人か、プレアデス星人のものだ
あの血が、何なのだろう
その考えは腹を蹴られた事により中断された
エリック
エリック
エリック
これがエリックの本性だ
そう悟った
テロス
エリック
テロス
テロス
テロス
テロス
テロスがそう話しても、エリックは満足しなかった
エリック
エリック
テロス
エリック
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
テロス
その続きを言おうとした時、体に鈍い痛みが走った
肩をナイフで刺されたのだ
エリック
テロス
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
エリック
テロス
テロス
テロス
テロス
エリック
エリック
テロス
エリックは何も答えず反対側の肩にナイフを突き刺す
テロスは反応しない
まるで効いていないみたいな顔をする
反応すれば余計痛い目に遭う
訓練で、知っている
数時間の拷問の後、テロスはイスに縛りつけられ拷問室に閉じ込められることになった
テロス
テロス
テロス
テロス
何日も閉じ込められて尋問されて
その上拷問だ
そろそろ限界だった
テロス
テロス
自分は運がいいのかもしれない
地球に来て半世紀もの間生きる事が出来た
生きてて良かった
とても、楽しかった
テロス
テロスは手首に巻かれている鎖を力ずくでちぎると、
小さく鋭利な破片を首筋に当てる
地球人の頸動脈にあたる部分だ
そのまま、小さな破片は静かに首筋を引き裂いて
翌日、エリックはテロスの居る拷問室に入った
エリック
そこでは、テロスが自殺していた
鎖がちぎられている所から、自ら首を切ったのだろう
エリック
小さな破片を拾う
尖っている所が当たり、指から血が出る
紫色の血だ
エリック
昔はシャルルと呼ばれていたエリックは地球人では無い
ゲマイン星と呼ばれる星の浄化を目的としている星に生まれ
彼らのやり方についていけずに逃げ出した
彼は組織に捕まって
何でもするというのを条件に命を助けられた
それから二百年
彼は多くの異星人を拷問した
同じゲマイン星人だって居た
エリックは彼らが羨ましかった
死を決断できることが羨ましかったのだ
同僚
エリック
エリック
同僚
同僚
同僚
エリック
エリック
エリックは手を隠し同僚の横を通り過ぎる
自分は自殺を許されない奴隷だ
他の異星人が死の度に、それを実感するのだ
コメント
11件
配信で聞かせてもらいました! もの凄く濃い世界観に、引き込まれました! 気まぐれな人間なので頻繁には読めませんが、また読ませてもらいます(* ´ ▽ ` *)
このストーリー結構設定作り込まれてるから、裏話を紹介するかも
そう言ってくれると凄く嬉しいよ!ありがとうございます_(._.)_ _(._.)_ _(._.)_