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この世には、異能力と呼ばれる人智を超えた力を発揮できる者がいる。

異能力を持つ者達は、ある時は化け物の類として恐れられ、ある時は神の使いとして敬われ、ある時は超能力者だとしてテレビ番組などに出てネタを暴かれるなんてことをされていた。

しかし、それも今は昔の話だ。

この日本は、世界で3番目に異能力持ちが多い。 その数なんと国民の97パーセントだ。

人数換算は出来ない。 計算すんのめんどいから。

そして、俺は異能力の正確なコントロールを出来るようにするために学園に通っている。

獅子堂

そう、何を隠そうこの俺、

獅子堂

獅子堂 涸司(ししどう からし)

は異能力持ちだ!

獅子堂

能力はズヴァリ!

『沈黙の境界線(サイレント・ライン)』ッ!!

この沈黙の境界線というのはなかなかレアな能力だ。

一般的に異能力は、空中浮遊や透明化など、自分に関する効果を持った能力が多い。

獅子堂

だが、この俺の沈黙の境界線という能力はなんと!

相手に攻撃ができる能力なのだ!

日本には攻撃系の異能力を有する人間がすごく少なく、 国民全体の1パーセントほどしかいない。

獅子堂

アメリカなんかは国民の48パーセントは攻撃系の能力なのに!

さすが銃社会!

獅子堂

だからつまりは、俺はこの学園だとイレギュラーだってことよ!

獅子堂

まぁ、つまりモテモテになっちゃうだわよ!

てなわけで!今絶賛俺っち上級生たちに囲まれておりマース。

上級生壱

てめぇ!1年のくせに生意気なんだよ!

上級生弐

攻撃系の能力だからってイキってんじゃねぇや!

上級生参

そうだそうだ!

獅子堂

貴様らァ、一体多数は卑怯ぞ!

上級生壱

そんなこと知るか!

上級生弐

卑怯もラッキョもあるものか!

上級生参

そうだ!そうだ!

獅子堂

(くそう!どうすりゃこの窮地を抜けられるんだ!?)

俺は考えた。考えに考え抜いた!

そして決めた! 能力を使おうと!

獅子堂

よし!まとめてかかってこい!相手になってやる!

俺はそういうと近くにあった階段の1番上まで全速力で走った。

上級生壱

てめぇ逃げんな!

上級生弐

まてコノヤロウ!

上級生参

そうだ!そうだ!

獅子堂

逃げた訳では無い!当方に策あり!

上級生壱

んだとぉ?かっこつけやがって!ぶん殴ってやる!

上級生弐

アニキ!やっちまいましょう!

上級生たちが俺を殴ろうと階段の1段目に足をかけた…その時!

獅子堂

『沈黙の境界線(サイレント・ライン)』ッ!!!

俺は能力を発動した。

その瞬間、階段の周りを取り巻く空気がドス黒いものに変わった。

上級生弐

な、なんだなんだ!?

上級生壱

て、てめぇ!能力発動しやがったな!

上級生参

そうだ!そうだ!

上級生が拳を震わせながらそう言ってきた。

獅子堂

やーい!やーい!ここまでおいでー!べろべろばぁー!

上級生弐

アニキ、相手がどんな能力を持ってるのか分からない以上、迂闊に動けませんぜ!

上級生壱

ぐぬぬ!

上級生参

そうだ!そうだ!

ふふふ、怖気付いたか…。

獅子堂

やーいやーい!俺を殴るんだろー!ここまでおいでー!

俺は煽りに煽る。 さすがに能力を発動した以上、こちらにアイツらが来ようとすることは無いだろう。

だが…

上級生壱

ぬう!敵の術中にハマり死ぬことよりも!恐れて敵を討てぬ事の方が恥だ!俺は!行く!

上級生は俺の予想とは逆に階段を登る気のようだ。

獅子堂

度胸だけは確かなようだな…。

だが、俺は能力を発動している! 発動している以上、どちらにせよあちらが俺に勝てる確率は20パーセント! 貴様らは俺には勝てん!

上級生壱

うおおおおおお!

上級生は叫びながら階段にもう一歩踏み出した…、その時だ。

ゴヅン

鈍い音がした。

上級生が、階段の角にスネをぶつけたのだ。

上級生壱

ぐぅぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぁあああああ!

凄まじい叫び声が校舎内に響き渡る。

そう、何を隠そう俺の『沈黙の境界線(サイレント・ライン)』の能力!

それは!

上級生参

それはぁ?

獅子堂

─自分が相手より階段の上段にいる場合に限り、相手が階段に足をかけた瞬間に転ばせ、スネを階段の角にぶつけさせる─

獅子堂

だ!

その後、俺は病院送りとなった。

上級生の能力は浮遊だったから、階段を踏まずに移動できたため、俺の能力の一切が意味の無いものだったからだ。

おしまい

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