■Kiss for Me☆③■ 再掲
L「道は混んどったけど案外早く着いたね」
タクシーを降り、エントランスまでのわずかな舗道を並んでゆっくりと歩む。
いや、肩をがっくり落としたうーくんの足取りが重くてね。
L「単なる間接キスやん」 兎「わ、わかるけど!」 両手で顔を覆って立ち止まってしまった。
兎「だって、あんなのって···あんなのって///」 L「あんなのって?」
兎「は··· 反則···///」
顔を覆ったまま、消えそうな声で抗議するうーくん。
兎「少女漫画とか、映画とかっ」 L「俺らの恋愛はそんなもんに負けとらんからね」
ほらほらエレベーターまであとちょっとやで、って薄い肩をポンと叩くとようやくまた足を進め始めた。 でもその手を顔から外さんと危ないで。
エレベーターを待っとるとうーくんが、あ!と声を上げた。 顔を覆う手の指に隙間を作り、そこから俺を覗くのがめちゃカワ。
兎「わ、わかった!3つ目はエレベーターの中でって言うんだ!」
L「あぁ~、なるほどそれもええね」 兎「あれ?違う?」
それもどこぞのラブストーリーみたいに魅力的なキスではあるけれど。
L「今日は会議室でもタクシーでも、俺のわがままに応じてくれて有難うな」 兎「へぁ? う、うん···」
照れ屋でビビリでヘタレなきみを、困らせては愉しんでごめんな。 その上で、わがままついでにもうひとつだけ···
あとはきみからのキスが欲しい。
兎「···え、それが?」 L「そ。これが3つ目」
どんなロマンチックなキスよりも、どんなドラマチックなキスよりも。 照れ屋なきみが精一杯の気持ちでくれるキスが欲しい。
何よりも一番欲しいキスはそれ。
→④うーくんできるかな?GO!
コメント
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うーくんやろう!そしておうちであまあまな一時をすごしてくれー!