桃華
おい
奏太
なんだよ
桃華
今どこだ
奏太
え?
奏太
奏太
学校だけど
桃華
じゃあ今すぐ来い
奏太
どこにだよ
桃華
〇〇町△△神社だ
奏太
はあ?
奏太
なんでだよ
桃華
いいから今すぐ来い
奏太
めんどくせぇな
奏太
奏太
わかった、今行く
奏太
はあ…はあ…
奏太
あっ
桃華
遅かったな
奏太
いやだってこんなに遠かったんだ——
桃華
言い訳などいらん
奏太
…で、なんなんだ?ここは
桃華
狐の霊が出る噂がある神社だ
奏太
なんだよ、お前ついに
奏太
オカルト路線に入っちまったのかよ…
桃華
オカルトではない
桃華
私は本気だ
奏太
はいはい
奏太
んで、何する気だ?
桃華
呼ぶんだ
奏太
何を?
桃華
狐の霊だ
奏太
マジかよ…
奏太
奏太
いいよ
奏太
呼ぼうぜ、その狐の霊とやらを
桃華
ふっ
桃華
お前なら手伝ってくれると思ったぞ
桃華
狐の霊
奏太
…はぁ?
奏太
誰が狐の霊だ?
桃華
狐のくせに耳が悪いようだな
桃華
奏太
奏太
は、はあ?
奏太
俺が?狐の霊?
奏太
んなわけねぇだろ
桃華
では狐の声マネをしてみろ
奏太
ああ、いいよ
奏太
コンコン!
桃華
…もういいだろ
奏太
あ?
桃華
もう分かってるんだろ?
奏太
…何がだよ
桃華
私が狐の霊だということを
奏太
…は、はぁ?
奏太
お、お前が霊な訳ねぇじゃん
桃華
わかってるんだったら素直になれ
奏太
…
奏太
分かってたよ
奏太
最初っから
奏太
お前が狐の霊だってことぐらい
桃華
…すまない
桃華
…私は…
桃華
ただの霊ではなく
桃華
…人を殺めてしまう狐の霊なんだ
奏太
…は?
桃華
本当にすまない…奏太
桃華
…私は…
桃華
私は奏太のことが
桃華
好きだった…!
奏太
!
桃華
だから…殺すなんて…したくない…!
桃華
だが…
桃華
…本当にすまない…
奏太
…俺も
奏太
俺も桃華のことが好きだ
桃華
!
奏太
今も、この時も好きだ
桃華
…すまない…すまない…!
桃華
桃華
…奏太も、私のこと
桃華
好きなら…
奏太
…?
桃華
…
桃華
…これより、奏太を私と同じ
桃華
狐の霊にする儀式を始める
奏太
…?
奏太
っ
奏太
ぎゃあぁぁぁあああ!!!
奏太
あああぁぁぁぁ!!
桃華
奏太はこれから
桃華
私のように
ふぁさっ
桃華
しっぽを生やし
桃華
擬態もできる体になる
奏太
あああぁぁぁ!!
数年後
奏太
はあ〜
桃華
どうした
奏太
いやーやっぱ桃華は
奏太
かわいいな
桃華
!
ふぁさっふぁさっ
桃華
や、やめろ…
奏太
ははっ
奏太
しっぽ振ってる笑
奏太
かわいい
桃華
桃華
おい
奏太
ん?
桃華
あの男はどうだ?
奏太
んー?
奏太
…いいな
奏太
顔もスタイルもいい
奏太
あいつを新たに俺たち
奏太
「狐」の仲間にしよう