今日も放課後になると、占ってほしい女の子たちが里緒の席を取りかこんでいた。
ようやく占いの順番がきた空が、里緒にたずねた。
空
里緒(りお)
空
空が目を閉じて、カードの山から5枚のカードを祈るようにゆっくりと選び、引いたカードを机の上に並べた。
みんなは、かたずを飲んでそのようすを見守っている。
すると里緒は、カードの上に手をかざして、そこから3枚のカードを選び出した。
里緒が、手に持った3枚のカードを、じっくりと見つめている。
占いの結果を待つ空が、ソワソワして口を開いた。
空
里緒(りお)
空
空がよろこんで帰っていった。
真理
里緒(りお)
みんな
里緒を取りかこんでいたみんなから、不満そうなどよめきがあがった。
里緒とあたし(明理(あかり))は、途中まで帰り道が同じ。
いつもいっしょに帰れるんだけど、里緒は病弱なのか、なんだかフラフラするときがある。
だから、別れぎわはいつもちょっと心配。
明理(あかり)
里緒(りお)
明理(あかり)
里緒(りお)
里緒はおとなしくて、クラスではあまり目立たない女の子だった。
去年転校してきたばかりで、友達もまだ少ない。
だからなのか、友だちを増やそうとして、ちょっと無理をしているように見えた。
明理(あかり)
里緒(りお)
明理(あかり)
あたし(明理(あかり))は、言われるまま里緒の占いカードを1枚引いた。
あたし(明理(あかり))がカードを手わたすと、えがらを見た里緒の顔がくもった。
里緒(りお)
明理(あかり)
あたしは、仕事に行くとき、いつもママに車で送ってもらっていた。
だから、里緒の占いを信じているあたしは、今日だけは電車で行くことにした。
明理(あかり)
そう思ったのは、その日、仕事から帰ってきてからのことだった。
夜のテレビのニュースを見ていたら、あたし(明理(あかり))がいつも仕事に行くときに通っている高速道路で、3人が死亡する大事故が起きていた。
もし、いつも通りに車で行っていたら、事故に巻きこまれて死んでいたのは、もしかしてあたしだったかもしてない.....。
ありがたかったけれど、あたしは里緒の占いが、すっかりこわくなってしまった.......。
主
主
主
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