目が覚めると、派手な服を着たお母さんが ボクの目の前に立っていた。
お母さん
お母さん
お母さん
そう言って、お母さんはどこかへ行ってしまった。
ボク
時計の針は夜の9時28分を指している。
ボク
掃除しないと、
ご飯が食べられない。
グゥー(お腹が鳴る)
ボク
最後に何かを食べたのは3日前くらいかな。
ボク
ボクには名前が無い。
産まれた時からずっと「お前」って呼ばれてる。
ボク
ボクは黙々と手を進める。
どれくらい時間がたったのかな。
コンコン
窓を叩く音がした。
ボク
窓を見ると、女の子の顔が見える。
女の子
ボクと同じくらいの背丈だ。
ボク
女の子
女の子
女の子
「こっち」…?
ボク
ボク
ボクは1回もこの場所から離れた事が無い。
ずーっと、ここに一人。
女の子
女の子
ボク
女の子
女の子
そう言って、女の子はどこかへ行ってしまった。
やっぱり、ボクは一人。
寂しいよ…。
ガチャ
女の子
扉が開いた。あの女の子だ。
女の子
ボク
ボクは一度も外の世界に行きたいとは言っていないのに、
女の子はボクの手を取って
強引に、ボクを外の世界に連れ出した。
強引だったけど…
その手は、今まで触った手の中で一番、
温かかった。
二人で夜の街を走った。
ボクには初めて見るものばかりで困っちゃったけど、
その女の子が色々教えてくれた。
ボクは女の子に初めて会ったけど、
何故か、すごく安心できたんだ。
こんな感覚、初めてだ。
女の子
女の子
ボク
女の子
ボク
ボク
女の子
女の子
ボク
ボク
女の子
お父さん…?
ボク
女の子
ボク
初めて聞く言葉だ。
女の子
女の子
女の子
女の子
ボク
いい人だな。
お父さん。
ボク
ボク
女の子
女の子
女の子
渚。
ボク
女の子
ボク
渚
渚
ボク
渚
渚
ボク
渚
渚
ボク
ボク
ボクのお母さんがいじめてこない人で良かった。
渚
渚
渚
渚
渚
えっ、それをいじめっていうの…?
ボク
ボク
渚
渚
ボク
渚
渚
渚
ボク
ボクって、いじめられてたんだ…。
渚
渚
ボク
渚
渚
ボクも一緒。
渚
渚
渚
渚
そうなのかな…
だったら…
ボク
渚
渚
渚
渚
渚
渚
でも…
ボク
渚
もうすぐ夜が明ける。
もう、お母さん帰ってきてるだろうな…
渚
渚
ボク
渚
ボク
渚
渚
ボク
渚
渚
渚
2人で、死ぬ…?
ボク
渚
渚
渚
渚
渚
渚
渚
楽しい気持ちなんて、味わったことない。
苦しい気持ちが、無くなるんだったら
ボクはそれが幸せだ。
ボク
ボク
渚
これが全ての始まりになることは、
この頃のボク達はまだ知らなかった。
コメント
2件
わーありがとうございます!!
続きがきになる!スッゴク!