横断歩道を歩く人も。
散歩をしている人と犬も。
腕時計の秒針も。
紫先輩も。
そして…。
先輩の元彼さんの、車も…。
何もかもが、凍って しまったかのように。
全てが、止まった。
伊織
伊織
伊織
俺は、静かに地上に 舞い降りる。
そして…。
他の誰も起こさずに。
車さえも、起こさずに。
先輩の元彼さんだけを 起こす…!!
パチンっ!
俺が指を鳴らすと…!
奏
奏
奏
奏
奏
奏
元彼さんは、目の前の状況を 理解できずに
とても驚いているようだ。
…まあ、普通、だよな…。
それより…!!
ここからが、 俺の出番だ…!
伊織
奏
奏
この反応…。
流石元彼さん。
…先輩と似てますね…。
伊織
伊織
伊織
伊織
奏
奏
奏
元彼さんは、驚きながらも
了承してくれた。
という事で…
近くの公園にやって来た。
伊織
伊織
奏
奏さんは、驚きすぎて
飲んでいた珈琲を 吹き出してしまう。
…申し訳ない、ですね…。
伊織
奏
奏
伊織
伊織
奏
奏
奏
奏
奏
奏さんは…。
先輩の名前を言っただけで
心配の嵐が巻き起こる。
…きっと。
奏さんも、まだ…
先輩の事が、 好きなんだ…!
伊織
伊織
伊織
奏
伊織
伊織
俺は、見てしまったんだ。
俺の言葉を聞いた 奏さんの…
傷ついた、瞳の色を。
奏
奏
伊織
俺は奏さんの言葉を遮る。
伊織
伊織
伊織
伊織
奏
奏
伊織
奏
奏
伊織
奏
伊織
伊織
ベンチに座っていた俺は
勢いよく立ち上がる…!!
俺は…俺は!!!
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
伊織
最後まで聞いていた奏さんは
目を丸くする。
そして、しばらくしてから
はあっと息をはく。
奏
奏
奏
奏
コメント
13件
奏くんは紫ちゃんのことめっちゃ心配してるんだね…… さすが元彼さん!優しいね! 2人は結ばれるのかな……?