光の届かない場所。
いつくるか分からない恐怖に耐える
ずっと
ずっとずっと
治療可能な精神病に
治療が許可されずに苦しみ、生きながらえる
たった一人の少年。
ヒシ
はッ…はぁッ……ッ、(カタカタ
研究員
薬の投与は?
研究員
いい。放置しとけ
ヒシ
……、
ヒシ
も……やだ…
常に感じる恐怖、孤独感に耐える。
暗い部屋、響く音、誰だかわからない人物の足音、頭と腕の痛み
一般人ならなんともない状態でさえ
彼には
怖くて怖くて堪らないのだ。
マサ
ッ…(カタカタ
研究員
!先輩、発作が
研究員
よし、脳波観測機をつけろ
マサ
ッ…辞めて……やめてくださいッ…やめてくださいッ…(カタカタ
どんな言葉も耐えて
何も考えずに
ただひたすらに
笑顔を作って
笑って
笑って
嗤って
笑わないと
壊れてしまうから
悠麻
……(ニコニコ
研究員
チッ、またかよ
研究員
大した脳波も出さねぇんだからさっさと捨てちゃいたいんだけどなぁ
研究員
しょうがねぇよ。まだ未確定状態なんだから
悠麻
ッ……(ニコニコ
現実が辛くて
幻覚に逃げる
見えなくなったら、また飲んで
逃げて、飲んで、また逃げるために飲む。
命を削る行為だってことを自覚しているのに
辞められず
また、飲む
累
……(ガサゴソ
研究員
また逃げてんぞ
研究員
言い、放っておけ。自分で戻っていく
研究員
あんな飲んだら、そのまま死ぬんじゃねぇの?
研究員
死んだら捨てるだけだろw
累
……(ゴクッ
「気持ち悪い」
「死ね。」
「お前は死んでも」
「独りだよ」
誰なのかも分からない声に、罵倒される
彼女にはそれが、怖くて怖くて堪らない。
1人なはず
静かなはず
どんな場所でも構わず
ずっと聞こえる幻聴と
ずっと見える幻覚に襲われる
深波
……っるさい…
研究員
また動かねぇの?
研究員
別にいいだろ、脳波取れるんだから
研究員
まぁな。
深波
……ゃめてよ…
そんな研究児に、担当医が着くことになった。
門崎 流唯
初めまして。私は門崎流唯、よろしくね
ヒシ
……、(頷
綾瀬 慧人
綾瀬慧人です。よろしくお願いしますね
マサ
……ッ、(カタカタ
邑生 那樹
邑生那樹、。よろしくね、
悠麻
、?(ニコニコ
累
……(ボー
霧雨 優里
累ちゃん?
累
、
霧雨 優里
担当になった、霧雨優里です。よろしくね、!
深波
……、(警戒)
榊原 芽明
えっと〜、
榊原 芽明
深波ちゃんの担当になった、榊原芽明と申します!
深波
……、
彼らにようやく
「生きるべきだ」
そう伝えてくれる人が現れた。