これは、俺の幼少期の頃の話だ。
俺の父親はどうしようもないクズだ。
そんなクズでも母親が孕った頃、更生したのだという。
なぜクズなのか。
浮気こそしなかったものの、喫煙・アルコール中毒者、DVという最悪な3パターンが揃ってしまっていた。
よくもまぁ母親は逃げ出さなかったものだ。
今思うと母親は、本当に愛していたんだろうな。
でも愛でも受け流せないもの、それは精神的ストレス。
俺を孕った後、母親のストレスは爆発した。
最初は良かったんだ。母親は父親に対してだけ、暴れ出した。
俺のは危害を加えない。どちらかと言うと愛されていたように思う。
ただそれだけだと抑えられなくなっていった。
そしてついに、幼くて対抗もできない俺に当たり始めたんだ。
そうなってきて俺を守ってくれる相手は、母親から父親に変化していった。
新月 狼麻
新月 凛香
もう母親は手に負えない。狂い、自我を失いパニック状態の母親は、男の父親でも対抗できないほどの力があった。
狂った母親は俺に包丁を突き立てる。それを後ろから父親が必死に抑えていた。
新月 凛香
新月 狼麻
新月 凛香
包丁を持った状態で暴れたんだ。案の定、父親に当たった。
父親の頬に、くっきりと十字の傷がついた。
父親はそれでも俺を庇い続けた。
騒ぎを聞きつけた隣人が、ヒーローに通報し、母親は逮捕、死刑となった。
いつ死刑になるかは知らない。まだ生きているかもしれないし、死んでいるかもしれない。
これが僕の、今後背負ってゆく、見えない重りだ。
コメント
2件
こんな過去があったなんて… 今回もありがとうございます😊