あなたの恋心を奪いたい

～放課後～

今日はゆあん君に「一緒に帰ろう！」って誘われた！

この胸の高鳴りはもう抑えられない

私の目線の先には

赤い夕日に照らされる

どこか懐かしい

君の姿

君との会話は全部楽しくて、飽きない

君と付き合うことが出来たら毎日幸せなんだろうな…

まぁそんな事叶わないんだろうけど､､､

神様からのサプライズだろうか

「文化祭一緒にまわろ」って誘われるなんて

これって

脈ありじゃない？！

嬉しすぎる、、、！

はじけるような笑顔で笑うから私も一緒に笑ってしまう

文化祭に心が躍る

明日も一緒に帰りたい

無邪気に手を振る君の姿が

何より愛おしい

～次の日～

よし！言えた！

まぁゆあんくんも忙しいよね

私達は小指同士を絡ませた

～放課後～

そう言って校門へ向かって歩き出したとき

ゆあんくんの声？

あれってゆあんくんだよね､､､

誰？あの女の子

ゆあんくん私といるときより楽しそう､､､

もしかして

ゆあんくんの好きな人？

いやそんなわけある､､､

だってあんなに楽しそうにっ

私はゆあんくんの彼女でも何でもない

ただの幼なじみ

脈ありだって自分が浮かれてただけじゃん

勝手に思い込んでただけじゃん､､､

目の奥があつくなる

視界がどんどんぼやけてゆく

しゃがみこむ

私は生まれて初めて失恋した

こんなに辛いだなんて

苦しいなんて

ﾎﾟﾂﾎﾟﾂ

ザーザー

ないし、、、

歩こうとしたけど

足が痛くて

思うように足が動かない､､､

ﾎﾟﾂﾎﾟﾂ

シーン

ゆっくりと上を見上げると、、、

そこには急いで走ってきたのか

傘を持った

足が泥だらけのゆあんくんの姿があった