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やがて連中らが足を止めた
真っ白な景色の中
軍隊の集団が並んでいたのだ
僕は思わず息を呑んだ
こんな綺麗な夜に熱意だけが燃えてるように見えた
すると突然―
シャリンシャリン
隊長
一気に列は動き出し赤い炎の周りを歩き出すのを見た
僕は思わず魂を吸い取られたように
ただただ眺めた
もうすぐこの人達も
魂が消えるのだ
と
残酷だった
あまりにも残酷だった
そんなことを考えていたその時
ある少年が僕の瞳を奪ったのだ
寒くて虚しい雪の中
仲間を燃え上がるような視線で眺めていた
自分には無いものを
希望の目で見つめていた
僕はすぐにその考えを振り払いマッチを踏み潰した
その時―
Jアラート、Jアラートです
直ちに身の安全を確保して建物や地下に避難をしてください
僕は予想外の警告に素早く対処しようと辺りを見渡す
しまった―
視線が逃げる人々に塞がレ視線が僅かに曇る
だめだ
遠くから聞こえる襲撃の音
恐い
恐い
恐い恐い―
僕が諦めて倒れ込もうとした寸前―
腰に素早く腕が回る感触に気づいた
その少年は僕を抱えてすぐに地下に直行した
誰だ…?
居心地が悪かった
あまりにも
居心地が悪かったんだ
僕は渋々目を開け身を起こしその人に視線を移す
彼は息を切らしながらまゆげに皺を寄せ僕を見つめた
軍隊の少年
僕はしばらく黙り渋々頷く
たった今人間に触れられた僕
吐き気を喉の奥に我慢した
しかし
それが僕らの出会いだったとは
誰も知る由もなかっただろう―