魔物から逃げつつ神殿に向かうスイとそれを追いかける3人。 スイは魔物の重い攻撃を受けつつも神殿へ向かっていた。
魔物
姑息な小娘め……。
魔物
スイ
魔物
死ぬのが怖くなったか?
魔物
スイ
スイはそう言うと、振り返って魔物を斬った。 攻撃はきちんと入り、魔物の皮膚に傷をつけた。
魔物
魔物
だと言うのに、このように戦うのだ。
魔物
スイ
魔物が勢いよく振り下ろした腕を、 スイは剣を盾にすることで防いだ。
魔物
特に貴様はそうだ。なぁ小娘。
魔物
魔物
スイ
ピキッ
スイの剣はヒビが入ってしまった。 魔物の攻撃をずっと剣で防いできたからだろう。
ヒビが入ったスイの剣を見た魔物は、 そのまま刃の部分をとても強い力で握った。
ヒビが入るほど脆くなっていた剣は、 魔物が力を加えることによってすぐに壊れてしまった。
魔物
貴様を殺してやろう、小娘!
スイ
霽月
霽月
魔物
魔物
スイ
魔物が武器を失ったスイに向かって攻撃を仕掛けた瞬間、 イザヤが魔物にライフルの弾を当てたのだ。
致命傷の様な傷を負わせることは出来ないものの、 魔物に隙を作ることが出来た。
魔物
魔物
小娘、貴様は後で殺す。
魔物
魔物
スイ
スイ
魔物
あるとしても神殿だけだ。)
魔物
霽月
スイの武器、さっき壊れたよね。
イザヤ
ザイン
ザイン
イザヤ
霽月
まだ時間稼ぎが必要なの?
イザヤ
魔物
ザイン
ザイン
イザヤ
魔物
我は神殿に向かって小娘を殺すとしよう。
霽月
マドカ
スイ
マドカ
マドカ
スイ
あはは……。
マドカ
スイ
買い替えないとなぁ……。
マドカ
マドカ
ちょっと腹立ってきたので。
スイ
スイ
魔物
マドカ
スイ
マドカ
マドカ
向こうで戦ってるんじゃないんですか?
イザヤ
イザヤ
スイ
マドカ
マドカ
スイ
私は武器壊れちゃったし……。
魔物
魔物がそう叫びながら腕を振り下ろした瞬間。
スパッ───
何かが魔物の体を真っ二つに切断した。
陽葉
陽葉
ゲントウ
霽月
魔物
魔物
ゲントウ
ゲントウ
魔物
ゲントウ
ゲントウ
やっていいぞ。
陽葉
やったぁー!
陽葉
突然現れた陽葉は魔物の体を刀で切り刻んだ。 魔物の体は真っ二つになり、魔物は地面に倒れた。
陽葉は再び刀を振った。 刀は魔物の体に傷をつけるだけだった。
魔物
ゲントウ
ゲントウ
魔物
魔物
魔物がピクリとも動かなくなったことを確認すると、 陽葉はつまんないとぼやきながらも刀をしまった。
魔物
魔物
あの者達に負けるつもりなどなかった……。)
誠実で、芯があって逞しい、戦士の鏡。
貴方は何があっても諦めないでしょう?
それは変わらない。
なのかもね、私達。
……大切な人として。
素敵な騎士に守ってもらえるんですもの。
私の生涯をかけて貴方を守ると誓いましょう。
こんなに素敵な人に守ってもらえるのね。
そう言い、私は幸せそうな顔をしている その人をそっと抱きしめた。
こんな幸せが、 ずっと続くと思っていた。
これだけは言っておこう。
……いや、休戦とも言えるか。
おそらく数百年の内は平和だ。
その時に魔物に襲われて……。
残したと思われる傷はあったが……。
茶髪の女性を見かけませんでしたか?
その……お前の大切な人なのか?
何だか申し訳なさそうに聞く医療班の人を見て、 私は何となくあの人に何があったのか察してしまった。
俺達が来た時は既に亡くなっていた。
その人を埋葬するとか言っていたな。
魔物からの攻撃の後遺症が残っているんだぞ!
それでも私はよかった。 あの人に会えるならば何でもよかったからだ。
ゲントウ
ゲントウ
どこに居るんですか!
ゲントウ
これは少々リスクが伴う実験でな。
ゲントウ
茶髪の女性はどこですか?
ゲントウ
ゲントウ
その方はどこですか!
ゲントウ
ハハハ、埋葬なんてする訳ないだろ?
ゲントウ
ゲントウ
ゲントウ
怪我人を殺す可能性は……!
ゲントウ
どうしてオレ達はお前を助けた?
ゲントウ
見てこなかったのか?
ゲントウ
お前のすぐそこに居る“それ”なんだが。
私のそばに居たのは、黒い塊のような何か。 私でもそれがあの人だと認識することは出来なかった。 それくらい酷い姿になっていたのだ。
ゲントウ
失敗しても、あの世でそいつと会えるかもな。
もはや人の形をしていないあの人を抱きしめ、 私はそう叫んだ。
ゲントウ
もう既に死んでいるじゃないか。
ゲントウ
ゲントウ
ゲントウ
それに、お前はもうじき死ぬだろう。
ゲントウ
まだ傷は癒えていなかったのにな。
ゲントウ
ゲントウ
痛いかもしれないが我慢しろ。
主だった人にそう言われ、 私は重くなりつつあった瞼を閉じた。