あれから何度も交渉したけど、 結局太宰は足枷を外してくれなかった。
太宰治
そう云って数時間後に太宰は家を出た。 此処は太宰の家らしい。
如何にかして脱出出来ないだろうか。
黒猫〇〇
私の異能は猫になる能力。
人間の見た目の儘猫耳を生やしたり、 猫其のものになる事も出来る。
猫に変身すれば手足の太さが変わって、 手枷と足枷をすり抜けられるんじゃ?
黒猫〇〇
体が一瞬熱くなって、目線が低くなる。 期待の眼差しで手首を見た。
黒猫〇〇
手枷が手首の太さに合わせて縮んでる…。
如何なっているんだ? 仕組みが全く判らない。
黒猫〇〇
大人しく人間の姿に戻ると、 やっぱり手枷も元に戻る。
其れにしても太宰が私に対して あんなに重い感情を抱いていたなんて。
唯一の友人だった織田作と安吾が消えて、 不安になってしまったのかな。
少なくとも私の知ってる太宰は、 賢さだけが突出した子供の様だったから。
黒猫〇〇
黒猫〇〇
此処は恐らく探偵社の社員寮。 隣の部屋には探偵社員が住んでる筈だ。
何とかして隣人に助けを求められないだろうか。
黒猫〇〇
黒猫〇〇
太宰が居ない間に壁をに穴を開ける。
猫の牙と爪は頑丈で鋭いから、 少しづつでも着々と。
私は其の日、太宰が帰ってくる迄の間、 ずっと壁を齧り続けた。
コメント
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○○ちゃんの黒猫の姿みにいき たいわ…✨絶対かわいいだろう な(ノ≧▽≦)ノ