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凛
ふぅー
明日美
凛ー
明日美
どしたの？元気ない？
凛
いや、べつになんでもないんだけどさ……
明日美
ふふっ、
明日美
ははーん……
凛
えっ、なにニヤニヤしてんの？
明日美
凛ったらぁ～、
明日美
好きな人いるんでしょ？
凛
どきっ
明日美
やっぱね。
明日美
そんでもって、その好きな人はぁ！
明日美
ずばり！
明日美
悠斗のことでしょー？
凛
どきどきっ！
明日美
当たったんだね？
凛
う、うん……
凛
なんか、みてるとドキドキしてくるんだ……
明日美
それ、初恋？
凛
うん……
明日美
わー！！！
明日美
うち、めいっぱい応援するわ！
凛
えへ……ありがと。
明日美
その笑顔だったら悠斗もイチコロだよ！
親友にすぐバレがち
悠斗
おーい、凛ー
凛
ん？
悠斗
なんか、明日美、最近元気ねぇんだよ。
凛
え？ほんと？
悠斗
仲良いお前が分からないのか？
凛
普通だったと思うけどな……
悠斗
はぁー、明日美どうしたのかな……
凛
うん……
凛
明日、私からもきいてみるよ。
悠斗
おう、ありがとな
これはまさか……？
凛
明日美、来ないなんて、珍しい……
夏帆
いつもはサイゼ行こうって言ったら
夏帆
必ず来るのにね。
凛
やっぱ、明日美おかしいね……
夏帆
恋してるからじゃない？
凛
えっ、明日美、恋してるの？
夏帆
知らなかったの？
夏帆
言ってもいいのか分かんないんだけど、
夏帆
好きな人、悠斗って言ってたよ。
凛
え、そんな……
夏帆
凛と悠斗と明日美って幼なじみでしょ？
夏帆
やっぱり、好きになるんだねぇ……
親友と好きな人かぶりがち
凛
一緒にかーえろ。
明日美
……
凛
明日美っ、明日美ってば！
明日美
ん……
明日美
あぁ、凛か……
凛
やっと振り向いたぁ……
明日美
ごめん、気づかなくって。
凛
ううん。いいのいいの。
凛
……ねぇ
凛
明日美って好きな人……いる？
明日美
……
明日美
い、いるよ。
凛
もしあれだったらさ、
凛
教えてほしいな……
凛
わたしも明日美の恋、応援したいからさ！
凛
(確かめないと……だめだ。)
明日美
……っ！
明日美
凛、わかってるんでしょ？
凛
へ？
明日美
とぼけたって無駄だよ。
ポロッと涙をこぼした。
明日美
そうだよ。
明日美
うちも悠斗が好き。
凛
っ……
凛
やっぱり。
明日美
うちさ、諦めようとしたんだけど。
明日美
やっぱ、無理だったな……
明日美
ごめん、凛。
凛
なにいってんの。
明日美
？
凛
悠斗は明日美が好きだよ
明日美
……なに言ってんの
明日美
凛の方が女子力も高いし、可愛いのに。
明日美
悠斗がそう言ってたわけじゃないでしょ？
凛
ううん。絶対そうだよ
凛
見てたらわかる。
凛
わたしね、悠斗の事、目で追ってたの。
凛
気持ち悪いけどね。
凛
でも、悠斗はいつもわたしとは目が合わなかったんだ。
凛
で、その目はね……
凛
いつも、明日美のことを見てた。
明日美
ないよ、そんなこと。
凛
じゃあ、悠斗に聞いてみる？
明日美
え……
幼なじみ、ごちゃごちゃなりがち
悠斗
あはっ……
明日美
いつからいたの……？
悠斗
凛の言うとおり。
明日美
えっ……
悠斗
そう。俺は明日美のことが好きだ。
明日美
そんな、うそ。
凛
ほーらね。
悠斗
幼なじみで小さい頃はそんなこと気にしてなかった。
悠斗
だけどさ、
悠斗
中学入ってから、明日美が、ちょー魅力的に見えてきたんだ。
悠斗
もちろん、凛も可愛くなってんなとは思った。
悠斗
だけど、やっぱり、明日美だった。
悠斗
凛、ごめんな。
わたしは頭を振る。
凛
いいの、いいの。
悠斗
こんな俺でよければ、
悠斗
付き合ってくれ。
明日美
う、わ……
明日美
うん！
これで、良かったんだ。
結ばれるべき人と結ばれただけだ。
凛
よかった。
にっこり笑った。
あれ、息が苦しいな……
どうしよう。
視界がぼやけてきた。
涙がこぼれそう。
これでいいのに。
凛
じゃ、じゃあ、
凛
わたし、先に帰ってるね！
明日美
え、
明日美
ちょっとまって！
凛
はぁ、はぁっ
後ろなんて振り向かない。
苦しくても立ち止まったりしない。
いま、止まったらダメだ。
凛
うぅっ、
凛
うわあああぁぁん……
これが一番いいのに。
なんで泣いてるんだろ……
ごめんね、明日美。
この行き場のない気持ちは どうすればいいんだろう。
明日美
凛っ！
凛
あ、明日美っ……
凛
なんで……
悠斗
頑張って走ってきたんだよ。
悠斗
話、まだ終わってないのに勝手にどっか行くなよ。
明日美
凛……
ギュ……
明日美
ごめんね。
明日美
大丈夫。
明日美
これからも私たち、友達だよ……
凛
明日美……！
悠斗
これからも、俺たちの関係は変わらないから。
凛
うん、うん……！
なんていい友達をもったんだろう。
二人とも、大好きだよ……！
結局報われないけど、
友情の力は偉大。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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